32話 戦い
「糞が。どうなってやがる」
けり飛ばされ建物に叩きつけられた狼の顔をした男が悪態をつきながら血をはく。
戦っている相手を簡単に形容するなら
「牛の被り物に鹿の角をつけて豚の皮をきたムキムキマッチョな2から3m級の大男」
と言った具合。
「光、きゃ」
魔法を唱えて足止めしようといた女魔法使いに牛頭は足元のレンガを投げつける。
そして突進。
「フンヌ」
赤毛のドワーフは手に持った大盾を構えその突進を止めエルフを守ろうとする。
しかし気にせず盾に頭突きで一撃。
「うぉぉ」
そして盾とドワーフとエルフを弾き飛ばす。
「※※※」
魔法使いがとっさに唱えた魔法で衝撃を緩和できたがこれでも相当痛い。
「どうなってやがる」
彼らはこの業界でも一二を争うバトルジャンキー、いや、「戦闘派冒険者」が集まるファミリーであるペドロファミリーの面々である。
入門条件が「単騎で5階層まで行ってモンスターの首を取ってくること」なあたりどれだけヤバいか察してもらいたい。
そんな彼らは牛頭の一匹や2匹余裕で討伐したことがある。なんなら一対一でも勝てるくらいだ。
だから独断専行して勝負をしかけてしまった。
「よく似た別物」ということを思いもせず。そういった油断が独断専行を産む。
そんな彼らが苦戦しているのだ。
「引くしかありません」
「どうやってだ」
見余った。油断した。力を過信しすぎた。名誉に眼がくらんだ。なんでもいえるがもうこうなってしまっては遅い。
相手はこちらを認識している。
魔法使い、俺、ドワーフ、弓使い、弓使いはもう反応がない。死んでいる。
もう遅い。
4人で勝てるか。勝つしかない。無理だ。もう遅いんだ。
「私がひきつけます」
そういって一人前に立つ少女。
長い剣を持つ金髪の美少女。
「無茶ですよ」
「早く行って」
牛頭は狙いを彼女に定めたようだ。
突撃。
それに応戦するように少女も突撃。
牛頭は強いがワンパターンだ。距離を取ってからの突進、そこから頭突き、そして決まらなければ連携。そこで剣を前に構え、相手の勢いを使って額に突き刺す。これもセオリー。
しかし相手はそのセオリーを外してきた。最初から握りこぶし。突き出された剣を握りこぶしで真向から受け止める。
鉄がぶつかり合う音。
「な」
鉄だ。おかしい。そんなことより剣が動かない。
気づいたら突き出した剣先をつかまれていた。動かせない。こんな脳みそはないはずだ。
それよりも、反対の手に握りこぶしが見える。
この距離でよけられるか。
そこに銃声。
戦闘シーンは難しい




