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26話 厄介なことが起きました

 ジャンヌファミリーは新興とはいえそれなりの実力を持った集団である。

 同じく新興のアナスタシアファミリーが成績と実力重視なのにたいして統制と育成を重視する組織。

 新人を教育し実力に合わせた階層で戦闘を行うことで効率的に稼ぎ、その収入で組織を強化しもっと強くする。

 一人一人は無名でも組織としては屈強で強力。それが彼らの売りであり強味。

 それが一撃で崩された。これはギルドとしても、ヘルファイヤーの冒険者としても大事である。


「話は聞かせてもらった。すぐにそれぞれのファミリーに警告を出そう」

 馬車でギルドに飛び込むように行けば、とんとん拍子でギルド長なる一番偉い老人と幹部のところまで通された。

 ニコライが事情を話せば即時決断。

「ダンジョンに潜っている人間はどうしますか」

「低階層のメンバーについてはファミリーに協力を仰ぎ即時帰還の通達を。新規侵入についてはダンジョン前で止めなさい」

「了解しました」

 警告とは名ばかりで実際はダンジョンへの進入禁止通達。

「あとジャンヌファミリーへの支援を募りなさい」

「人員の支援はうちのもんが向かってるはずだ。金銭的、医療支援が欲しい」

「あのファミリーはそこまで弱くないはずだ。それが壊滅となるとは、相手は何者だ」

「わからない。その事情を調べるために人を送りなさい」

 ギルド長はてきぱきと指示をだし、ギルドの面々も走り回る。

 やる気のない受付や守衛とはまったく違う。

「状況がわからない限りダンジョン探索の再開は無理だ。緊急としてそれぞれのファミリーに協力者を募ってモンスターの討伐を行う。君はその手配を頼む」

「かしこまりました」

 ニコライにとりあえずついてきた二人は置いてけぼり、かといって帰るわけにも行かない。

「ニコライさんのファミリーからも人を出してくれますか」

「報酬によります。うちに限った話ではありませんが」

 冒険者といってもビジネスなのだ。

「ダンジョン探索を再開できなければギルドのみならず町全体に関わる。出し惜しみはするな」

 決断力の速さよ。

 勢いがあるといはこういうことか。

「もう用が無ければジャンヌファミリーの所へもどっていいかな。ファミリーの人間が集まってる筈だ。俺が呼んだ以上俺がいなきゃ形にならん」

「そうだな。ご苦労だった。向こうのボスにもよろしく伝えてやってくれ。後ろの二人もご苦労。ギルドからも人を送らせてもらう」

 ギルド長直々の挨拶。

 ピーターは深いお辞儀で返し、Nもそれに合わせる。

 たぶんアナスタシアファミリーの一員だと思われているが、まぁあえて議論する必要なもない。

 そこにやってきたのが部外者であるメッサー。


「君は誰だ」

「オーナーじゃないか。なぜここにいる」

「私は町でクラブをやってるもので、色々あってニコライ氏のご指示で諸々あって向こうに残り手伝いをしておりました」

 数人メッサーの顔を知っている人がいる、まぁギルドの幹部は稼げるのだ、が一応の挨拶と事情説明。

「君はこちらに来なくてもいいと言ったじゃないか」

 ニコライは以外な来訪にそう答える。

「ニコライさん」

 しかしメッサーはそれに答えない。それより大事なことがある。

「ジャンヌファミリーのボスが先ほどお亡くなりになりました」

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