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25話 いやな光景です

「申し訳ございません。ニコライ様、居られますか」

 返答に困っている時に、店に飛び込んできたのは先ほどの受付。

「ここだ」

 礼儀として店主に聞いたが、店の中で客は彼らだけ。すぐわかる。

「申し訳ございませんが急ぎ来ていただけませんか。お願いします。大変なんです」

「また若い連中がいざこざでも起こしたかね」

 そういって大物らしく立ち上がり。

「すまないが会計、済ませておいてくれるか。君らの分もそこから出しとけ」

 そういってポケットから分厚い財布を三人に投げて店からでていった。

「大物って感じがしますね」

「やくざもんの親分もファミリーのボスも変わらんからな。厄介な連中のまとめ役だ。俺らも行こう」

 メッサーの言葉に合わせて三人も立ち上がり、ニコライの財布から4人分の勘定をはらった。


 ジャンヌファミリーに戻ってみると今後は逆に騒がしかった。

 本拠地の前にタンカ、けが人、病人、医者、そしてけがで終わらなかった人が入っている黒い袋。

 人であふれている。

「いやな光景ですね」

 そこに並ぶ人たちの名前も知らなければ関係もこうなった経緯もしらない。

 それで出てくるのは悲しみではなかった。

「いやな光景です」

 その感情を表す言葉はNの語彙力にはこれしかない。


「厄介なことがおきました」


 建物中は表よりもひどい状態、重傷者で死んでいないものはここに並べられているようだ、でドタバタしている。

 右の耳から入る情報と左の耳から入る情報が違う。混乱。

 そんな本拠地の中をすり抜けるように進んで探したボスの部屋。

 ジャンヌファミリーのボスも頭に包帯をまいているが比較的軽症なようで、自分の椅子に座っている。

 テーブルにはお茶も仕事の書類もあるが手がつかないようだ。体の傷と心の傷は別。

「厄介なことが起きました」

 ニコライは話を聞き出そうとするが難しいようだ。

「どうなされたんです。まぁ、一杯のんで。落ち着いてください」

 見るに見かねたメッサーが二人の会話に割り込みながら、ポケットに入っていた安いジンをテーブルのお茶に入れて飲ませる。

 そして愚にもつかない話、今日ここにきた経緯とか、から始まり話の本題を探り当てていく。

 話はこうだ。


 今日は所属する1つのパーティーが7階層付近の探索を行っていた。

 そこでほかのパーティーがモンスターに強襲を受けていたので援護したとのこと。

 まれにこういったことは起こる。

 しかし後ろからイレギュラーなモンスターが現れるとなると話は別だ。

 牛とも馬ともわからない巨大な怪物。魔法も武器も通じない。

 勝てないと悟り逃走を図るが失敗。

 二つのパーティーはほぼ全滅に近い状態。

 魔法により全滅の状況を知りファミリーがほぼ総出で援護に向かったが、あの怪物を追い払うのがやっとだった。

 しかしまだ7階層にいるはずだ。あの怪物は。


「私がギルドへ報告と相談をしなくてはなりません。この状況です。申し訳ございません。手助けを」

「当然だ。伝令を一人貸してもらう。手紙を出す」

 ニコライは廊下を走っていた男、もうこうなると統制も役割も何もない、を呼び止めた。

 その場でざっくりとした事情を書いた手紙を書き、ファミリーの方に救援をを要請。

「ギルドの方は今から俺が行こう。オーナー。悪いがここに残ってくれるか。あんたは冒険者じゃない。あとの二人は、事情を聞いたならちょうどいい、ついてこい」

「部外者とはいえ、はいさようならとは行きませんね。アナスタシアファミリーから人が来たらどこかで食い物でも調達しましょう。あったかいものを食べればみんな多少は落ち着きますし」

「わかりやした。馬を調達してきます。表は混雑するので角の所で待っててください」

 ピーターはそういって部屋から飛び出していこうとしたので

「おい、金だ」

 メッサーはそういってニコライから預かっていた財布を彼に投げつける。

 ピーターはそれを受け止め、急ぎ外へ。

「申し訳ございません」

 彼らの動きをみてボスとして恥ずかしいやら悲しいやらでただ謝るばかり。

「冒険者が助け合いファミリーを作りファミリーが助け合いギルドという街をつくるんだ。気にしなくていい」

 その言葉を何か思いながら聞いていたのはN

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