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23話 旨いだけじゃだめだよね

「申し訳ございません。担当の者がで払っておりまして。少々お待ちして頂くようにと言伝を承っております」


 西の新興ファミリー、名前はジャンヌファミリーというらしい。表の看板にでていた、の本拠地はきれいで実務的な小さな建物だった。

 メッサーが受けた印象は役所や銀行。

「事情はうかがっているのですが、急な案件が発生してしまい、申し訳ございません」

「ボスはどうした」

「そちらも出払っております。緊急ということで手が空いている者全員で向かった次第でして。はい。申し訳ございません。わたしですか。私は事務員ですので来客対応として待っているようにと。申し訳ございません」

 確かに人気がない。最低限の人間で回してる感じがある。

「ダンジョンでなにかあったんだろう。仲間が襲われたかな」

 同じファミリーのボスであるニコライは何となくだが事情を察する。

「じゃぁ出直すってことで。昼飯を食いに行きましょう。大通りまで戻らないとだめだが唐辛子をたくさん使った辛い料理が人気の店があります。ありゃ女を連れてく店じゃないが、一つ行ってみたかったんですよ」

「あの店は本日定休日でございます。はい。ファミリーの者もよく行くので」

 受付が口を挟む。

「新しい店ですがステーキが美味しい店がございますので、はい、よろしければそちらでどうですか。当ファミリーへの営業むけですが割引券がございますので、よろしかったら」

「そんなのがあるのか。どうです?」

 メッサーは残りの面々に聞き、特に不満はないということで決定。


 表通りから少し外れた所にステーキが美味しい店というのはあった。

 実際うまい。注文を受けたら裏から肉をだしてきて店先で焼くというこだわり。

 しかしだ。この街にそういったこだわりを求めるやつがどれだけいるか。特にここは表通りから少し外れで買い物にきた外出客より根っからの住人が多い住宅地。

 とにかく立地がわるいのだ。

「美味しいですね」

「いい味だ」

 ニコライとNは気にせずステーキをバクバクと食べ進めるが、腐っても飲食店のオーナーであるメッサーと、お高い店ぽいのに客層がいいとは言えないファミリーに割引券を配るほど客に困っていることを察しているピーターはあまりコメントをしなかった。

 実際、昼過ぎということを考慮してもそこまで客はいなかった。これは長続きしないだろうな、とはメッサーの予想。

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