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20話 酒場のマダムはいい女というのもあるあるな気がする

 ブレンダンの酒場「準備中です ^^) _旦~~」


「なんだこの顔文字」

 表に出ている黒板を見たニコライの率直な感想。

「夜に出直しますか?私だけでいいですし」

「夜は仕事で忙しいだろう」

「俺も詫びをいれなきゃならん」

 ニコライの手には焼菓子のセットと高そうなブランデー。

 昨日メッサーに頼んだら今日の朝には届いていた。サービス外だが気が利く男。こういう所で常連を増やす。

「裏口に回りましょう。準備中ならたぶん誰かいますよ」

 ピーターの発案。ファミリーの大物と命を助けてもらった恩人となんかよくわからないけど大物に顔が聞く男という面子ではただの冒険者である彼は一番カーストが低い。

 なので先頭になる。やくざの倫理。


 裏口のほうからは確かに人の声がする。

 女が数人。姦しいというやつでいろいろとしゃべっている。

「すいません」

 ピーターはそういって女たちに声をかける。

 洗濯をしているようだ。

「はーい。あ、あなたは昨日の」

「はい。昨日はご迷惑をおかけしました。その件についてしっかりと謝罪をしたいと思うのですが、店長さんか責任者の方はおられますか」

「意外と口がまわる男だな」

 ニコライはピーターに言った。

 確かに昨日もペラペラとまくし立てていた気がする。

「わかりました。それじゃぁ店長を呼んできますね」

 そういって一人が店の中へ

「店長、いるのか」

 ニコライの顔がゆがむ。あまり会いたくはない。


「ニコライ。久しぶりね」

 入るようにと指示されて店に入った4人にカウンターの向こうから声をかける中年女性。

 50か40か、男だったら中年の危機を否応なく乗り越えてしまったという年齢で、女も肌年齢30代がうれしく感じる歳だが彼女はその波をうまく乗り越えたようだ。

 金髪で長身、白い肌で町一番は言い過ぎでも美人という言葉はお世辞ではない。

「ご無沙汰しております。ジェシカさん」

「ジェシカでいいのよ。もう」

 彼女はコップを磨きながら笑いかける。

「そちらの方は?」

「えぇっと」

 代表してNが簡単な事情を述べて

「騒ぎを起こしてしまい申し訳ございませんでした」

とメッサーと並んで平謝り。

「いいのよ。話は聞いてるわ。あなた方は迷惑をかけられた側らしいじゃない」

 にこやかにそういってくれるとありがたいが、もう一押し。

「あのそれで、昨日会計しないまま飛び出してしまって、遅くなりましたが清算だけさせてもらえませんか」

「まじめね。新人さん。サラ。キャサリン」

「はーい」

 奥で釣りに使う小銭を数えていたサラともう一人を呼び出す。

「あ、どうも」

「昨日はすごかったですねぇ」

 キャサリンと呼ばれたウェイトレスはそうNをほめた。

「肩をたたいたと思ったらバーンって殴り飛ばしちゃって、そっちのお兄さんの飛び蹴りもきれいに決まってたじゃないですか。あんなの初めて初めて見ましたよ。お二人は冒険者のパーティーかなにかなんですか?」

「こっちは冒険者だが俺は違うよ。LAXEってクラブのオーナーをやってる」

「LAXE」

 ジェシカはそういってまゆをひそめた。

「そうです。ご存じですか。」

「いや、あそこのトップは吸血鬼でしょう。あなたみたいな若造じゃないわ」

「あれは店長です。店長。俺はオーナー。まぁあの男がいなきゃ店がまわせないぼんくらですがね」

 ジェシカはつかみどころがない青年を品定めするためにじろじろ見ていたが

「よろしく」

とにこやかに挨拶され握手を求められたので、洗い物で濡れた手を拭いて握手を返す。

「夜な夜な部屋に女を連れ込む遊び人で有名な男です。気を抜いたら多少年増でも連れてかれちまいますよ」

ニコライは隣からそういって笑い

「あぁ、そういえばそんな話、彼が言ってた気がするわ。でもそこまでイケメンって感じじゃないわね」

ジェシカにまじめに返された。

もしくは人生経験豊富ながっつりとしたおばさん

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