18話【復讐】
数日後
俺は玄斎に連れられある場所に来ていた
「ここは…」
「ここは、旧幕府軍の城。かつては民を守ってたと伺いましたが、あなたもご存知でしょう?」
「ああ…知ってるどころか恨みすらある」
「ですので、ここを選んだのです」
「どういう事だ?」
俺は玄斎から信じられない事を提案される
「現在は九条宗玄がこの城の城主です。ですので、この城を頂き、作戦を練るとしましょうか」
「九条宗玄はどうする」
「そちらはお任せします。あなたのお好きなように」
「わかった」
俺達は城の門の前に行く
門の前には侍が2人見張りをしていた
「何やつ、名を名乗れ!」
「黒影」
「知らんな。何しに来た!」
「この城を頂く!」
すると2人の侍は急に笑い出す
「2人でか?この城には1千の侍が詰めている。お前ら2人でどうするというのだ?」
1人の侍が合図を出すと門が開く
そこには1千の侍達がいた
「やれやれ。数だけは立派だな。だが、いくら無能が集まっても無能は無能だ」
俺は刀を抜く
「黒影様、背後はお任せくだされ」
「ああ」
指揮官らしき侍が合図を出すと
一斉に走り出す
俺は力一杯に刀を振る
すると数人の侍達が吹き飛ばされる
「うひょーすげーな。なぁ、玄斎。何したんだよ?」
「あなたの刀に風神の加護を付与しました。これで貴方に敵う人はいないでしょう」
「それは助かる!」
俺は笑いながら刀を振る
面白いぐらい侍達が飛ばされる
人の油で刀は斬れ味を落とすが
玄斎の陰陽術のおかげで斬れ味は落ちなく
むしろ斬れ味が増した
面白いぐらいに首や胴体が飛んでいく
「どうした?最初の威勢がなくなってるぞ!」
俺は辺りを見渡すが
「あーなんだ、全員死んでるのか」
あっさりと1千の侍達を殺してしまった
俺達は城に入り奥へ進む
中は静かだった
そのはずだ
ほとんどの兵士を殺してしまったのだから
この奥には九条宗玄がいるはずだ
俺達は辺りを探す
すると一つだけ金で装飾された扉を見つけた
「ここか?」
「そうでございましょうな」
俺は躊躇なく扉を蹴破る
するとそこには九条宗玄と
2人の侍がいた
「な、な、何者だ!」
「黒影」
「黒影だと?知らんな」
「はぁー本当に下のやつのことは何も覚えてないんだな」
「なに?」
「この傷に見覚えは?」
「そ、その傷は」
そう、俺の頬には傷がある
△
数年前
俺は九条宗玄の指示のもと
新政府軍との戦に参加していた
新政府軍は銃や大砲をイギリスから
買っており
俺達、旧幕府軍は刀一本だけ
誰から見ても負け確定の負け戦だった
俺達数人の兵士は傷つきながらも城に帰還してきた
だが、門は固く閉じられていた
「おい、何してるんだ。ここを開けてくれ!」
そこに九条宗玄が顔を出す
「何しに戻ってきた!無能は無能らしく戦さで死ね!」
「な、何言ってるんだあんた!」
「お前達は俺を守る為の盾であり道具なんだ。それがわかったなら、さっさと戻って死んでこい!」
「ふざけるな。いいから、ここを開けろ!」
すると九条宗玄が合図を出す
そこには数人の弓兵がいた
「放て!」
すると無数の弓が飛んでくる
俺は振り返る
すると一緒に逃げてきた仲間達が
弓の餌食になり死んでいた
俺は泣き叫んだ
「お前はイカれてる!こんなのおかしい!」
すると九条宗玄も弓を構え俺に向けている
その弓は俺の頬にかすめていった
俺は泣き叫びながら逃げるしかできなかった
△
「やっと思い出したみたいだな」
「な、なぜお前がここに」
「この城を貰いに来た」
「城だと?そんなのやる訳にはいかん。ほら、何をしている。俺様を守れ!」
すると2人の侍が前に進む
「鬼塚兵馬と申す」
「高村紫苑だ」
「ここから先はワシらが相手じゃ」
「外の侍達よりはやりそうだな」
俺は刀を抜く
3人は睨み合いを続ける
すると鬼塚が斬りかかってくる
鬼塚の刀は鋭く
何人も殺してきたような
殺人剣だった
だが、俺には加護が付与されているから
その鋭さも遅く見える
「遅い…」
俺は刀を振る
すると鬼塚と高村は外の兵士同様吹き飛ばされる
「やっぱり、あんたらも無能か…」
「何をしている!俺を守らんか!」
鬼塚と高村は立ち上がり
2人一斉に斬りかかってくる
「もう、飽きたわ。これで終わりにしようか」
俺は2人の刀を弾き
右袈裟斬りで2人を斬る
少し静寂がその場を襲う
すると2人の身体は
斜めに静かに崩れていく
俺は刀を鞘に収める
俺は九条を見る
「く、来るな!わ、悪かった。あの時は俺もどうにかしていた。すまない。だから、命だけは!」
「あんたは言ったよな?無能は無能らしく戦さで死ねと。それを言ったあんたから見て、現在の状況をどう見る?」
「そ、それは…」
「残念…あんたも無能って事だよ!」
俺は九条の胸に刀を突き刺す
「ぐぁ…」
九条は苦しそうに悶える
「た、助けてくれ。命だけは…」
「その言葉は、もう聞き飽きたよ」
突き刺していた刀を抜き
首を切り落とす
九条は生命を失い
その場に倒れる
少し静寂が襲う
「終わったようですね」
「ああ…」
「それでは、これよりこの城を我々の城、骸城と名付けましょう」
「骸城か。いいな」
ここから俺の新たな人生が始まる
今回も読んで頂きありがとうございます!
今回は黒影の過去と闇、復讐のお話でした
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