ショート論破タイム 野党編
――まぁ、早百合さんの青桜党が議席の三分の二を持って行ったからほぼ全ての政党の議席数が以前の三分の一だけど……。
「公営かどうかなんてどうでもいい!」
眼鏡をかけた別の野党政治家が、勢いよく割り込んできた。
「賭博は不純で汚れた反社会的で非教育的なモノだ! 青少年をそんなモノの対象にするだなんて頭がおかしいのか!? さっさと内閣を解散させたまえ!」
「つまり中央競馬、地方競馬、競輪、競艇、オートレースは不純で汚れた反社会的で非教育的なものでこれまで日本政府は100年間、不順で汚れた反社会的で非教育的なものを運営していたとおっしゃりたいのですか?」
早百合さんがわざとらしく首を傾げると、眼鏡の野党議員は喉を詰まらせたように狼狽し始めた。
「そ、そういうわけではない! そ、そうだ! そもそも賭博が禁止されている理由を考えなさい! 賭博は不健全な行為だからこそ禁止されている。だから公営ギャンブルと言って政府の管理が必要なのだ。そのようなものは学園に相応しくない!」
「賭博が禁止されているのは賭博行為でお金を稼ごうとする人が増えると労働力が下がるから。不健全だからではありません。そして生徒自身は参加できません。これで問題ないですね。では次の答弁ですが、確か予算案の話でしたか?」
「ッッ――っッ!!?」
眼鏡の野党議員は眼鏡をずり落としながら、白目を剥いて動かなくなった。
すると、太ったオバサン野党議員がショルダータックルで眼鏡の野党議員をぶっ飛ばした。
「賭博の是非なんて関係ないわ! これは学生に対する搾取よ! 学生を金づるにして儲けようなんていかがわしい! いくら中抜きして私腹を肥やすつもりなの!? わかったら早く解散総選挙をしなさい!」
――さっきから辞職、内閣解散、解散総選挙って必死だなこいつら。
青桜党が議席の三分の二を取っている現状では、日本国は言い方は悪いけれど早百合さんの独裁政権状態だ。
つまり、次の任期までの4年間。こいつらは一生冷や飯食らい確定なのだ。
彼ら彼女らの抵抗を、俺は膝の上で麻弥たんを愛でながら観戦した。
「利益は東京都の震災復興費用に使用する。学生募金のようなものだ。それとも貴君は学生たちの募金を搾取と言う気か?」
「募金と賭博は違います! 貴女には常識と良識がないのですか!? 私たちは不謹慎であると言っているのです!」
オバサン議員は化粧が剥がれそうな勢いで怒鳴り散らした。
すると、早百合さんは冷静に、むしろ呆れ気味に息を吐いた。
「貴君は不謹慎だからという感情論で東京を復興させなくてもよいと? 災害後は俗に不謹慎警察と呼ばれる連中が現れるが貴君もその類か?」
「は? 何を言って……」
オバサン議員が狼狽えると、早百合さんはスッと冷えきった敵意の眼光を光らせ、語気を強めた。
「活発な経済活動が税収を生み、税収が被災者の危機を救う。経済活動を不謹慎だと制限するのは被災者への攻撃と知れ。そも、他人の不幸を理由に無関係の者たちの楽しみを奪えばその憎しみは不幸な者へ向けられる。お前らの不幸のせいでこっちまで不幸にされたとな! 安全圏から無責任なことを語るな! 被災者は貴君のつまらぬプライドや正義感、自己顕示欲を満足させる道具ではない!」
「屁理屈をこねるな乳デカ淫乱売国奴が! お前みたいな股を開いて票と議席を確保している奴のせいで私たちのような良識ある女性までジャッポス共から性的搾取されるんだ! ロジカルハラスメントも大概にしろ!?」
ちなみにロジカルは論理的、ハラスメントは理不尽不当なことなので、一言で矛盾している。
なかなかに芸術展の高い発言である。
「では国民に投票で選ばれた民意の代弁者たちに聞いてみよう。さぁ、この中で東京の公営ギャンブルは違法で、日本政府は100年間、中央競馬、地方競馬、競輪、競艇、オートレースという不純で汚れた反社会的で非教育的なものを運営し、学生募金は搾取であり学生たちが東京復興予算を稼ぐことに反対の人は手を挙げるが良い! 日本国民みんなが見ているぞ!」
周囲を飛んでいた報道メディアのドローンカメラが野党議員たち一人一人に注目した。
議員たちは皆、青ざめて、右手を上げたり下げたりを繰り返している。
結局、手を挙げたのは野党議員の半分にも満たなかった。
その人たちも、脂汗をかきながら顔が引きつっている。
こうして、最強トーナメントはギャンブル企業とは別に、政府の公営ギャンブルとなった。
俺は、早百合さんを迎えに行った。
◆
「結局今回も、早百合さんの一人勝ちでしたね」
俺は早百合さんをテレポートでお迎えしてから、鼻で笑った。
「私情で動く者は負ける。正論を続ければ勝てる。それだけだ。それより」
自室に着くなり、早百合さんは包容力溢れる手で俺の輪郭に触れて、アゴをくいっとしてきた。
「勤労に報いる彼氏からの労いが欲しいのだが?」
「ッ!?」
胸を高鳴らせながら、俺は周囲を確認した。
そこは早百合さんの自室。
他の家族の影はない。
「口紅、取れちゃいますよ?」
「この後はシャワーだ。構わんよ」
俺はおそるおそる、早百合さんの口にキスをした。
けれど、早百合さんは舌を入れてこなかった。
熱い眼差しで俺の瞳の奥を覗き込んだまま、待ちの姿勢を崩さない。
どうやら、覚悟を決める必要があるらしい。
俺は早百合さんの背中に手を回して抱き寄せると、彼女の口内に舌を差し入れた。
熱く濡れた愛する彼女のナカをなめまわすと、初めて早百合さんから動いてくれた。
舌が積極的に絡みついてきて、俺の舌を吸ってくる。
俺は必死なのに、早百合さんの目は余裕そのもので、俺を使って遊んでいるようだった。
そうなると俺も男のプライドにかけて、早百合さんを恥ずかしがらせたいという欲求が湧いてくる。
俺は頭の中で覚醒イベントをイメージしながら、早百合さんの口の中を責めてみる。
だけど、早百合さんは動じなかった。
こうなったら掟破りの反則技だと、俺は早百合さんのタイトスーツをテレポートで脱がせた。
不意打ちの脱衣。これには女性として動揺を隠せまい。と俺は浅はかだった。
むしろ、早百合さんは勝利を確信したように目の奥に怪しい光をたたえた。
そして、俺の鼓動はさらに加速した。
刺激的な黒い下着につつまれた特大スイカ大のKカップバストがたわたに揺れて、俺は立っていられなくなった。
諸般の事情で、徐々に前かがみになっていく。
そうすると早百合さんとの身長差がついて、口が離れてしまう。俺から離してしまう。
それは、俺の敗北だ。
脱衣攻撃をしかけたのに、ダメージを受けているのはこっちだ。
マジックのような早百合さんのトリックファイトに俺は狐につままれた気分だ。
だけど俺は負けなかった。
負けるわけにはいかなかった。
ここで男の沽券を示さずなんの彼氏か。
俺はより積極的に早百合さんの口内を舌で探った。
同時に早百合さんの手が俺の股間をわしづかんできた。
――ッッ!?
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