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OU戦!

 時は流れて五年後。

 五歳年を取った囚人たちは解放の時に胸を高鳴らせ、海岸に集まっていた。



 皆、心身にストレスの多い原始的な生活に外見は十年以上も老け、見るも無残な姿になっていた。


 五年前の彼女達が未来の惨状を知れば、なんと言っただろうか。

 国からの船が到着すると、まずは新聞が投げ込まれた。


 新聞には、出生数が五年連続140万人越えで第三次ベビーブームが到来していることが載っていた。


 さらに、芸能面ではハニーが十人の恋人たちと仲睦まじく過ごし、集団デートしている姿が報じられている。


 あれから学校の在り方も変わり、授業には道徳に代わり恋愛の授業が導入。

 週に一度、男子生徒と女子生徒がパートナーを変えながらデート体験をしたり、高校生になると仮夫婦制度として男子と女子が共学寮で一緒に過ごすようになっているらしい。


 そしてアメリカのプロムを参考に、年に数度の行事で男子は女子をダンスパーティーに誘い、仲を深めるのが一般的になっている。


 それどころか学生結婚の推奨、大学や専門学校に託児所が設けられ、学生でありながら結婚していても良いことになっていた。


 新聞には早百合のコメントが掲載されている。


『子供が生まれなさ過ぎて国が滅びそうなのに十代で性行為をするのは大問題で子供ができたら社会的バッシングを受けて堕胎させられて子供ができやすい十代二十代を学習と労働に費やして子供ができにくい三十代以降に子供を作ろうとして妊娠しないと妊活をする。何故これを異常だと気づけない? 十代で結婚し子供を作るのが問題なのではない。十代で結婚し子供を作れる環境を国が整えていないだけだ』


 まるでラノベ、まるでオタク向けのラブコメ漫画。


 自分たちが送りたかった学園生活の全てが今の日本にはあることを知り、同時に若い男子の多くは二十代前半で結婚してしまうので婚活男性がいないことを知り、囚人たちは狂ったように叫び倒した。


 皆、5年間の間に新たに生まれた婚活男子との結婚を夢見て今日まで耐えてきたのだ。


「そうよ! 数は少なくてもゼロではないはずよ!」

「さっさと私たちを日本に戻しなさいよ!」

『それはできません』


 虹園忍舞の返事に、囚人たちはぽかんと口を開けた。


『衛星カメラで監視していましたが、みなさんこの島で囚人相手に暴行罪、傷害罪、恐喝罪、強要罪、侮辱罪、名誉棄損罪、窃盗罪や器物破損をしていますよね? AIに観測させた結果、全員刑期は10年以上伸びています。それにここは更生施設、更生が見られない以上、解放するわけにはきません。ではまた十年後に期待してください。新しい丸太は置いておきますので、ではさようならー』


 遠ざかる船に手を伸ばしてから、囚人たちはその場で殴り合いの乱闘を始めた。

 こうして、彼女たちは今日もまたせっせと刑期を伸ばすのであった。



 同じ頃。


「ねぇハニー。いつまでボクのナカに出したのをアポートするの? ボクは、ハニーの赤ちゃんならいつでも産めるのに」


「お、俺だって桐葉との子供は欲しいけど、子供ができたらもう二度と恋人気分に戻れないじゃないか。もうちょっとだけ、母親じゃなくて、女の子の桐葉を楽しみたいと言うか。だ、だめか?」


「ううん、だめじゃないよ。でも大丈夫だよハニー。だってハニーは奥さんが10人もいるんだから。そのあたりもみんなで話し合ったんだ。みんなの赤ちゃんはみんなで育てて、ちゃんとハニーとの二人きりの時間も作ろうねって。だから大丈夫、赤ちゃんができても、ボクはいつだってハニーの前では一人のオンナだから」


「ぐふっ、ちょ、そんなこと言われたら」


「わっ、ハニーってばまた元気になっちゃった。もう、何回出せば治まるのぉ? ハニーのえっちぃ」


「いや、ごめ、でも」


「いいよ、嬉しいから。ふふ、ボクも準備できちゃった。安心してねハニー、ボクのKカップおっぱいも、メートルヒップも、ムチムチのナカも、まだまだ全然なんだから。精魂尽き果てるまで気持ちよくしてあげるね♪」


「桐葉、桐葉、きり、う、う、うぉおおおおおおおおおおおお!」


   ◆


 時代は五年前に戻って2041年。


   ◆


「まぁ、早百合さんの言う通り、あいつらならかってに刑期増やしそうですもんね」

「そういうことだ」

「でもこれで少子化問題は解決。OU問題に注力できますね。て、どうした美方?」


 見れば、美方が青い顔をしながら視線を逸らし、弟の守方に寄りかかっていた。


「い、いえ、ちょっと、その……」

「姉さん、そろそろ弟離れして彼氏作れば? でないと姉さんも将来、流岸島に収容されちゃうよ?」

「うぅ、そんなの貴方がずっとワタクシと一緒にいればいいだけでしょう!」


 涙目になりながら、美方は守方をぽかぽかと叩き始めた。

 が、守方は全てを刹那の見切りで右へ左へと華麗に避け続けた。

 その微笑ましい光景に、俺はつい笑みがこぼれた。


   ◆


 一週間後。


 OUの党本部会議室では、OUの最高幹部たちが眉間にしわを寄せながら議論を交わしていた。


 議題は当然、いかにして日本を支配し、OUの領土に組み込むかである。

 そこで、一人の若い幹部が口を開いた。


「古来より、無能な味方は敵に勝ると申します。いわゆる獅子身中の虫という奴ですな」


「つまり、日本を内部から食い破ると?」

「えぇ。日本は所詮どこまでいっても生ぬるい人権主義国家。自国の民には手を出せませんし、自国民の支持を失えば龍崎とかいう女も総理ではいられますまい。それに、ハニーは一介の子供、人殺しなどとてもとても」

「それで、あてはあるのかね?」

「野党議員なら無理だぞ。議席の三分の二が青桜党のものだ。野党議員全員がこちらに寝返っても日本は変わらん」


 先輩幹部からの問いかけに、若い幹部はほくそ笑んだ。


「実はよい島を知っております。あそこなら、龍崎総理への恨み骨髄の人材がうなるほどおりますので。ふふふふふ」


★モンスター女子は当分出ないのでご安心を。ただのちの展開で1話から最新話までの間に戦った連中と再戦する展開はしたいです。次話からの甘ラブコメ編をどうぞ!



★本作はカクヨムでは497話まで先行配信しております。

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