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ログで世界を支配する〜追放された俺、観測能力で最強国家を作り直す〜  作者: イケメン☆スーツ
第1章 無能と追放された俺、世界の“ログ”に触れる
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第8話 「初めて“観測で操作した”」

 森に入った瞬間、空気が変わった。

 

 重い。

 

 湿っている。

 

 そして――

 

 明確な“敵意”。

 

 


【ログ】

対象:周囲

状態:高危険領域

 

 

「……ここ、軽く死ねるな」

 

 

「はい」

 

 

 リシアは迷いなく頷いた。

 

 

「実戦です」

 

 

「雑に言うな」

 

 

「安全な場所では意味がないので」

 

 

 淡々とした声。

 

 

 本気で試している。

 

 

「……死ぬなよ」

 

 

「その時はあなたも一緒です」

 

 

「だろうな」

 

 

 小さく笑う。

 

 

 その時。

 

 

 ――ガサッ。

 

 

 来た。

 

 

 


【ログ】

対象:前方

数:3

種類:狼型魔物(強個体)

状態:包囲

 

 

「……三体かよ」

 

 

 しかも強い。

 

 

 完全に囲まれている。

 

 

 

「……どうするんですか?」

 

 

 リシアの声。

 

 

 試している。

 

 

 

「……やるしかねえだろ」

 

 

 

 構えた瞬間。

 

 

 ――速い。

 

 

 


【ログ】

対象:魔物A

行動:突進(高速)

 

 

「……っ!」

 

 

 半歩ズラす。

 

 

 ギリギリで回避。

 

 

 だが――

 

 

 


【ログ】

対象:魔物B

行動:側面攻撃

 

 

「チッ!」

 

 

 間に合わない。

 

 

 腕に衝撃。

 

 

「ぐっ……!」

 

 

 浅いが、当たった。

 

 

 

「……遅いです」

 

 

 リシアの声。

 

 

 

「見えてるだけでは足りません」

 

 

 

「……分かってる」

 

 

 吐き捨てる。

 

 

 

 囲まれてる。

 

 

 速い。

 

 

 強い。

 

 

 

 普通なら終わりだ。

 

 

 

 だが――

 

 

 

「……見えてる」

 

 

 

 動き。

 

 

 位置。

 

 

 

 全部見えてる。

 

 

 

 だったら。

 

 

 

「……変える」

 

 

 

 “次”を見る。

 

 

 


【ログ】

対象:魔物A

状態:未確定

次動作:着地

 

 

 

 確定前。

 

 

 

 そこに触れる。

 

 

 

 ズラす。

 

 

 

「――ッ!」

 

 

 

 足の位置が狂う。

 

 

 

 着地失敗。

 

 

 

 体勢が崩れる。

 

 

 

「……いい」

 

 

 

 成功。

 

 

 

 だが――

 

 

 


【ログ】

対象:自分

状態:不安定

 

 

 反動。

 

 

 重い。

 

 

 

「……制御してください」

 

 

 

「一点に絞る」

 

 

 

「……分かってる」

 

 

 

 呼吸を整える。

 

 

 

 次。

 

 

 


【ログ】

対象:魔物B

状態:未確定

 

 

 

 横から来る。

 

 

 

 避けるか?

 

 

 

 ――違う。

 

 

 

「……そこじゃない」

 

 

 

 狙うのは、“関係”。

 

 

 


【ログ】

対象:魔物B

思考:敵

対象:魔物C

思考:競合

 

 

 

 ズレている。

 

 

 

 だったら。

 

 

 

 そこを押す。

 

 

 

 ほんの少し。

 

 

 

 ズラす。

 

 

 

「――ッ!」

 

 

 

 二体の軌道が歪む。

 

 

 

 互いに衝突。

 

 

 

 ――ドンッ!!

 

 

 

 噛みつき合う。

 

 

 

 暴れる。

 

 

 

「……マジかよ」

 

 

 

 思わず笑う。

 

 

 

 だが。

 

 

 

 まだ一体いる。

 

 

 


【ログ】

対象:魔物A

行動:再突進

 

 

「……来るか」

 

 

 

 真正面。

 

 

 

 避ける?

 

 

 

 ズラす?

 

 

 

 違う。

 

 

 

「……動かす」

 

 

 

 初めて意識する。

 

 

 

 “結果”じゃない。

 

 

 

 “流れ”を。

 

 

 


【ログ】

対象:魔物A

状態:未確定

全動作:可変

 

 

 

 全部が揺れている。

 

 

 

 その中から――

 

 

 

 一つ選ぶ。

 

 

 

「……これだ」

 

 

 

 意識を集中する。

 

 

 

 そして。

 

 

 

 押す。

 

 

 

 ズラす。

 

 

 

「――ッ!!!」

 

 

 

 魔物の動きが狂う。

 

 

 

 突進の軌道が変わる。

 

 

 

 そのまま――

 

 

 

 他の魔物へ。

 

 

 

 ――ドゴォッ!!

 

 

 

 三体、まとめて崩れる。

 

 

 

 動かない。

 

 

 

 終わりだ。

 

 

 

「……は」

 

 

 

 息が抜ける。

 

 

 

 今のは――

 

 

 

 完全に。

 

 

 

 “操作した”。

 

 

 

「……それです」

 

 

 

 リシアの声。

 

 

 

 振り向く。

 

 

 

 その目は、明確に変わっていた。

 

 

 

「今のが“観測の本質”です」

 

 

 

「……見てるだけじゃねえな」

 

 

 

「はい」

 

 

 

「動かしてる」

 

 

 

 確信に変わる。

 

 

 

 その瞬間。

 

 

 


【ログ】

対象:周囲

状態:不整合拡大

 

 

「……ッ」

 

 

 

 来た。

 

 

 

 今までより重い。

 

 

 

 視界が崩れる。

 

 

 

 音が消える。

 

 

 


【ログ】

対象:自分

状態:存在不安定(高)

 

 

「……戻ってください!」

 

 

 

「意識を固定!」

 

 

 

「……くそ……!」

 

 

 

 自分を掴む。

 

 

 

 ここにいる。

 

 

 

 消えるな。

 

 

 

 戻れ――

 

 

 


【ログ】

対象:自分

状態:安定化

 

 

「――ッ!!」

 

 

 

 世界が戻る。

 

 

 

「……はあ……」

 

 

 

 膝をつく。

 

 

 

「……やりすぎです」

 

 

 

 リシアの声。

 

 

 

 だが、その目は――

 

 

 

 警戒と、興味。

 

 

 

「……でも」

 

 

 

 小さく笑う。

 

 

 

「できるな」

 

 

 

「……はい」

 

 

 

 一拍。

 

 

 

「ただし」

 

 

 

 静かに言う。

 

 

 

「それ以上は、“修正されます”」

 

 

 

 その瞬間。

 

 

 


【最上位ログ】


観測対象:干渉源特定

状態:追跡開始

 

 

 

「……は?」

 

 

 

 空気が凍る。

 

 

 

 今までと違う。

 

 

 

 完全に。

 

 

 

 “敵の反応”。

 

 

 

「……来ます」

 

 

 

 リシアが低く言う。

 

 

 

「何がだ」

 

 

 

 一拍。

 

 

 

「“管理側”です」

 

 

 

 理解した。

 

 

 

 これは。

 

 

 

 もう遊びじゃない。

 

 

 

「……面白えな」

 

 

 

 小さく笑う。

 

 

 

 止まる理由にはならない。

 

 

 

 その感覚だけが、強く残った。

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