第41話 「LINK : UNDEFINED」
呼吸が浅い。
軽い。
軽すぎる。
削れている。
分かる。
さっきの“接続”。
あれで、
何かを持っていかれている。
それでも――動ける。
足。
不安定。
でも、立てる。
腕。
違和感。
でも、動く。
「……もう一回だ」
「やめて」
リシア。
すぐ後ろ。
「それ以上は――」
「使える」
被せる。
止まったところで、
戻らない。
分かってる。
だったら――
進むしかない。
視界の先。
影。
まだ残っている。
敵。
踏み込む。
地面の感覚が遅れる。
ズレてる。
でも、もう慣れた。
無視する。
距離が足りない。
それも分かる。
それでも――
手を伸ばす。
届かない距離。
ノイズ。
Link : ERROR
Condition Unmet
Subroutine : Connect
Status : Forced Execution
一瞬で消える。
でも、理解はできる。
エラー。
それでも――
“繋がった”。
触れている。
離れているはずの対象に、
確かな手応え。
「……やっぱりな」
距離は関係ない。
“繋げば届く”。
そのまま押す。
敵が崩れる。
音もなく、
形が消える。
次。
間を置かない。
もう一体。
踏み込む。
同じように、
手を伸ばす。
ノイズ。
エラー。
強制実行。
繋がる。
触れる。
崩れる。
「いける……」
体が軽い。
削れているのに、
動きやすい。
余計なものが落ちていく感覚。
三体目。
踏み込む。
手を伸ばす。
ノイズ。
エラー。
繋がる。
――違う。
「……は?」
触れている。
だが。
一つじゃない。
二つ。
同時に。
別の方向の敵にも、
同じ手応え。
距離が、まとめて消えている。
「なんだ、これ……」
思考が遅れる。
それでも――押す。
二体同時に崩れる。
その瞬間。
「っ……!」
膝が抜ける。
一気に。
さっきより、
明確に。
削れている。
存在が薄くなる。
足の感覚が、
地面と合っていない。
それでも――
「……まだだ」
歯を食いしばる。
四体目。
来る。
踏み込む。
手を伸ばす。
ノイズ。
エラー。
繋がる。
今度は――
広がる。
触れている範囲が、
明らかに増えている。
視界の端の影まで、
同時に繋がる。
「だめ!」
リシアの声。
「それは――」
「使えばいい」
遮る。
もう止まれない。
全部繋がるなら、
全部終わらせればいい。
力を込める。
一斉に崩れる。
視界の中の敵が、
まとめて消える。
その代わりに。
「……っ!!」
体が抜ける。
足の感覚が消える。
立てない。
それでも。
接続が切れない。
繋がっている。
勝手に。
「切って!」
リシアの声。
だが――分からない。
どうやって切る。
繋げたのに、
制御できない。
「……なんだよ、これ」
初めて、
怖い。
その瞬間。
視界が固定される。
体が止まる。
アンカー。
接続が途切れる。
一瞬だけ。
呼吸が戻る。
荒く、
浅く。
それでも――
手が震えている。
削れている。
明らかに。
それでも。
「……使える」
口に出す。
自分でも分かっている。
おかしい。
壊れている。
でも。
「……全部繋げばいい」
止まらない。
止める理由が、
もう残っていない。




