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第34話 「記録のズレ」


一体目が崩れる。

 

速い。

 

 

「……いけるな」

 

 

思わず笑う。

 

 

 

「……そう」

 

 

リシアの返事は短い。

 

 

 

二体目。

 

 

問題ない。

 

 

 

崩す。

 

 

 

「前より全然楽だ」

 

 

 

「……うん」

 

 

 

それだけ。

 

 

 

 

少し、間がある。

 

 

 

 

三体目。

 

 

踏み込む。

 

 

 

触れる――

 

 

 

 

違和感。

 

 

 

 

「……?」

 

 

 

線が、消える。

 

 

 

 

ほんの一瞬。

 

 

 

 

遅れる。

 

 

 

 

衝撃。

 

 

 

 

「……っ!」

 

 

 

 

距離を取る。

 

 

 

 

「……今の」

 

 

 

 

リシアが少しだけ眉を寄せる。

 

 

 

 

「……見えてた?」

 

 

 

 

「……ああ」

 

 

 

 

でも、

 

 

 

 

少しだけ言葉が止まる。

 

 

 

 

「……いや」

 

 

 

 

 

曖昧になる。

 

 

 

 

 

「……消えた?」

 

 

 

 

リシアが小さく言う。

 

 

 

 

 

「は?」

 

 

 

 

 

「……線」

 

 

 

 

 

それだけ。

 

 

 

 

 

沈黙。

 

 

 

 

 

もう一度構える。

 

 

 

 

 

今度は見逃さない。

 

 

 

 

 

触れる。

 

 

 

 

 

崩れる。

 

 

 

 

 

……問題ない。

 

 

 

 

 

「……今の、なんだったんだ」

 

 

 

 

 

ログを見る。

 

 

 

 

 

【対象:低位個体×2】

 

 

 

 

 

「……いや、待て」

 

 

 

 

 

さっき、

 

 

三体いた。

 

 

 

 

 

「……お前」

 

 

 

 

リシアを見る。

 

 

 

 

「……いくつ倒した?」

 

 

 

 

 

少しだけ間。

 

 

 

 

 

「……分かんない」

 

 

 

 

 

リシアも即答しない。

 

 

 

 

 

目を逸らす。

 

 

 

 

 

「……たぶん、同じ」

 

 

 

 

 

“たぶん”。

 

 

 

 

 

その言い方が、

 

 

妙に引っかかる。

 

 

 

 

 

「……ログ、見せて」

 

 

 

 

 

覗き込む。

 

 

 

 

 

数字は合ってる。

 

 

 

 

 

でも、

 

 

 

 

 

「……なんか、おかしくないか」

 

 

 

 

 

リシアはすぐに答えない。

 

 

 

 

 

少しだけ、

 

 

考えて。

 

 

 

 

 

「……うん」

 

 

 

 

 

それだけ。

 

 

 

 

 

説明はしない。

 

 

 

 

 

でも、

 

 

 

 

 

その“うん”だけで、

 

 

 

 

 

十分だった。

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