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ログで世界を支配する〜追放された俺、観測能力で最強国家を作り直す〜  作者: イケメン☆スーツ
第1章 無能と追放された俺、世界の“ログ”に触れる
18/50

第18話 「ここは、ルールが違う」

 街の外は、静かだった。

 

 音が、遠い。

 

 人の気配が、ない。

 

 

 風だけが、残っている。

 

 

「……こんなもんか」

 

 

 肩の力が抜ける。

 

 

 何も変わらない。

 

 

 ただ、広いだけだ。

 

 

 

 ――そう見えた。

 

 


【ログ】

対象:周囲

状態:不安定

 

 

「……違う」

 

 

 足が止まる。

 

 

 

 揃っていない。

 

 

 

 街の中は、繋がっていた。

 

 

 流れがあり、順序があった。

 

 

 

 だが、ここは――

 

 

 

 “切れている”。

 

 

 

 ズレが、連続していない。

 

 

 

「……なんだこれ」

 

 

 

「領域差です」

 

 

 リシアが答える。

 

 

 

「干渉が分断されています」

 

 

 

「……だから読めねえのか」

 

 

 

「はい」

 

 

 

 視線を巡らせる。

 

 

 

 ズレはある。

 

 

 

 だが。

 

 

 

 繋がらない。

 

 

 

 その時。

 

 

 

 前方で、何かが動いた。

 

 

 

 小型の獣。

 

 

 

 こちらを見ている。

 

 

 

 ――いない。

 

 

 

「……は?」

 

 

 

 視界から消える。

 

 

 

 次の瞬間。

 

 

 

 “いた”。

 

 

 


【ログ】

対象:前方個体

状態:不連続存在

 

 

「……動いてねえな、これ」

 

 

 

 来る。

 

 

 

 だが、移動していない。

 

 

 

 “位置だけが変わる”。

 

 

 

 軌道がない。

 

 

 

 読めない。

 

 

 

「……っ」

 

 

 

 ズラす。

 

 

 

 意味がない。

 

 

 

 そもそも、“来ていない”。

 

 

 

 次の瞬間。

 

 

 

 距離が、ゼロになる。

 

 

 

「――っ!」

 

 

 

 牙。

 

 

 

 遅れる。

 

 

 

 間に合わない。

 

 

 

 ――ズラす。

 

 

 

 それでも。

 

 

 

 当たる。

 

 

 

「くそっ――!」

 

 

 

 衝撃。

 

 

 体が崩れる。

 

 

 

 理解が追いつかない。

 

 

 

 見えている。

 

 

 

 だが。

 

 

 

 “結果が繋がっていない”。

 

 

 

「……なんだこれ」

 

 

 

 立ち上がる。

 

 

 

 次が来る。

 

 

 

 読めない。

 

 

 

 予測できない。

 

 

 

 観測が、意味をなさない。

 

 

 

 ――その瞬間。

 

 

 

 一閃。

 

 

 

 獣が崩れる。

 

 

 

 リシアだった。

 

 

 

 何もしていないように見える。

 

 

 

 だが。

 

 

 

 “そこにいた”。

 

 

 

「……違うな」

 

 

 

 息を吐く。

 

 

 

「これは……別物だ」

 

 

 

「はい」

 

 

 リシアが言う。

 

 

 

「観測の前提が成立していません」

 

 

 

「……つまり」

 

 

 

「俺のやり方じゃ通じねえってことか」

 

 

 

「現状では」

 

 

 

 あっさりと断定される。

 

 

 

 視線を落とす。

 

 

 

 戦えると思った。

 

 

 

 通じると思った。

 

 

 

 だが。

 

 

 

 ここでは違う。

 

 

 

 その時。

 

 

 

 遠くで、揺れた。

 

 

 

「……」

 

 

 


【ログ】

対象:遠方

状態:干渉集中

 

 

 濃い。

 

 

 重い。

 

 

 

 さっきのとは、比べ物にならない。

 

 

 

 “まとまっている”。

 

 

 

「……あれは」

 

 

 

 初めて、分かる。

 

 

 

 危険だと。

 

 

 

 理由はない。

 

 

 

 だが。

 

 

 

 分かる。

 

 

 

「……あっちか」

 

 

 

「行きますか」

 

 

 

「……行くしかねえな」

 

 

 

 息を吐く。

 

 

 

 ここは、街の外。

 

 

 

 安全じゃない。

 

 

 

 むしろ――

 

 

 

 “壊れ方が違う”。

 

 

 

 それでも。

 

 

 

 進む。

 

 

 

 理解するために。

 

 

 

 そして。

 

 

 

 “あれ”に、届くために。

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