表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ログで世界を支配する〜追放された俺、観測能力で最強国家を作り直す〜  作者: イケメン☆スーツ
第1章 無能と追放された俺、世界の“ログ”に触れる
14/49

第14話 「もう、止まらない」

 止まっていない。

 

 街は、何も変わらない。

 

 人が歩き、声がある。

 

 

 ――それでも。

 

 

 確実に、ズレている。

 

 

「……」

 

 

 息が浅い。

 

 

 分かっている。

 

 

 このままじゃまずい。

 

 

 

「……止める」

 

 

 口に出す。

 

 

 もう触れない、では足りない。

 

 

 戻すしかない。

 

 

 

 視る。

 

 

 


【ログ】

対象:周囲

状態:干渉残留

 

 

 ズレは、残っている。

 

 

 点じゃない。

 

 

 広がり始めている。

 

 

 

「……ここだ」

 

 

 一箇所に絞る。

 

 

 戻す。

 

 

 それだけだ。

 

 

 


【ログ】

対象:前方

状態:未確定

 

 

 触れる。

 

 

 今度は、意識して。

 

 

 押し戻す。

 

 

 

 ――その瞬間。

 

 

 

 感触が、弾けた。

 

 

 

「……っ」

 

 

 違う。

 

 

 押せない。

 

 

 

 ズレが、逃げる。

 

 

 


【ログ】

対象:周囲

状態:干渉拡大

 

 

 散る。

 

 

 一点にあったはずのズレが。

 

 

 周囲へ。

 

 

 

 その直後。

 

 

 目の前で――

 

 

 男が、つまずいた。

 

 

 ほんのわずかな段差。

 

 

 普段なら、踏み越えるだけの位置。

 

 

 

 足が、ズレる。

 

 

 

「うわっ――」

 

 

 体が崩れる。

 

 

 そのまま、横の人間にぶつかる。

 

 

 連鎖する。

 

 

 押される。

 

 

 よろめく。

 

 

 

 目の前で。

 

 

 全部、繋がる。

 

 

 

「……おい」

 

 

 声が出る。

 

 

 これが原因だと、分かる。

 

 

 

「……それ以上は危険です」

 

 

 リシア。

 

 

 はっきりとした制止。

 

 

 

「……いや、まだ――」

 

 

 止めないと。

 

 

 これ以上はまずい。

 

 

 

 視る。

 

 

 流れ。

 

 

 ズレ。

 

 

 

 今なら、分かる。

 

 

 戻せる。

 

 

 そう思ってしまう。

 

 

 

「やめてください」

 

 

 声が強い。

 

 

 

 だが。

 

 

 

 止まらない。

 

 

 


【ログ】

対象:広域

状態:未確定

 

 

 触れる。

 

 

 広げてしまう。

 

 

 

 ――その瞬間。

 

 

 

 全部が、揺れた。

 

 

 

 足がズレる。

 

 

 手がズレる。

 

 

 物がズレる。

 

 

 

 同時に。

 

 

 

「――っ!?」

 

 

 悲鳴。

 

 

 ぶつかる音。

 

 

 倒れる音。

 

 

 

 目の前で、起きる。

 

 

 

 止まらない。

 

 

 

「……やめろ」

 

 

 声が出る。

 

 

 自分に。

 

 

 

 止めたい。

 

 

 でも。

 

 

 

 止め方が分からない。

 

 

 

 その時。

 

 

 リシアが、一歩前に出た。

 

 

 

 何もしていない。

 

 

 ただ、立つ。

 

 

 

 それだけで。

 

 

 

 空気が、変わる。

 

 

 

 ズレが、鈍る。

 

 

 

「……っ」

 

 

 息を吐く。

 

 

 

 完全には止まっていない。

 

 

 だが、広がりは止まる。

 

 

 

「……今のは」

 

 

 言葉が出ない。

 

 

 

「制御できていません」

 

 

 リシアが言う。

 

 

 

「触れた瞬間に、拡散しています」

 

 

 

 淡々と。

 

 

 

「……止まるのか」

 

 

 

 一瞬の間。

 

 

 

「止める必要があります」

 

 

 

 また、それだ。

 

 

 

「……無理なんだろ」

 

 

 

「現時点では」

 

 

 

 短い。

 

 

 

 それで、十分だった。

 

 

 

 息を吐く。

 

 

 

 目の前で、起きた。

 

 

 

 自分のせいで。

 

 

 

 分かってしまう。

 

 

 

 止めようとした。

 

 

 

 それでも。

 

 

 

 壊した。

 

 

 

 そして。

 

 

 

 まだ、終わっていない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ