表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

5/60

魔法

重くなった空気の中で、父が口を開く。

「リリィ、魔法が使えることをみなに知られないようにするには、魔力をコントロールしなければいけない。特にアルフレッド殿下は、近年類を見ないほど強い魔力をお持ちだから、殿下の前で魔法を使えばすぐに悟られてしまうよ」


魔力のない人の前では、魔法を使っても普通気づかれることは無い。

逆に強い魔力を持つ人は、些細な魔力の流れも感じることができるのだ。

この国の第一王子であるアルフレッド殿下は、生まれたころから強い魔力を持っている。

噂では、魔塔の誰よりも魔力が強く、魔法の痕跡を探すこともできるほどだと。


「そうなのね、でも私自身いつ魔法が使えるのか分からないの。魔法について調べる方法だって無いわ。」

「そうか。我が家には魔法に関する本は1冊もないし、王宮や魔塔への伝手もない。・・・どうすれば、この力を隠すことができるんだ」

そう言いながら、父は頭を抱えている。


なにか方法を探さなくちゃ、きっと手はあるはずよ

いくら考えても解決方法が出そうにない話に、リリアは焦りを感じていた。


その時母が静かに、そして確信に満ちた声で口を開いた。

「私の実家は隣国と長年取引をしているわ。特に大陸一の帝国であるグランツェ帝国は、魔法に強い関心を持っていたはず。魔法に関する貴重な書物なども集めているそうよ。もしかしたら、その伝手で何か情報が得られるかもしれないわ。私が、秘密裏に話をつけてみましょう」


そう話す母の顔は、男爵夫人としてではなく、商売の世界で鍛え抜かれた鋭い商家の娘の顔だった。

母の言葉は、まるで暗闇に差し込んだ一筋の光である。


「ありがとう、お母様!」


リリアは母の言葉に感謝すると同時に、心の中で強く誓った。


学園の長期休暇明けまでに、自分でこの魔力をコントロールできるようにならなければダメね。

練習場所は温室がいいかしら。

魔法に関する本がないのなら、自分で魔力と向き合ってその力を理解しなければ。

どんな魔法が使えるのか、その使い方も私自身で調べてみせるわ。


「あぁ、クララ!君はなんて聡明で素敵な人なんだ!君と結婚出来て私は本当に幸せ者だよ」

父は満面の笑みを浮かべ、そう言いながら母を抱きしめた。


はぁ、お邪魔虫は出て行った方がよさそうね

いちゃつき始める二人に挨拶をして、リリアは部屋を出た。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ