元老委員
ランプの明かりだけを頼りに薄暗い部屋で、5人の人間が円卓会議を行っている。参加しているのは、レーン共和国最高意思決定機関である元老委員である。
元老委員会は常に密室会議であり、この円卓会議室も地下に設けられ、部屋はコンクリートで覆われ、この部屋に降りてくるには元老委員のみしか通行を許されていない唯一の専用階段を降りるしかないのである。
共和国とは言いながら元老委員のメンバーは、100年変わらず、選挙も行われたことはなかった。一般国民が元老委員の顔を知る者は皆無であり、その名前さえ明かされてはいなかった。
「トーケン王国に送ったもの達の消息が絶たれたようだな!」
フードを被った老齢の男が話を切り出した。
「うむ、魔王国からの連絡ではカイエンのところの冒険者の中に手練れの者がいたようだ」
別の仮面をつけた男が返答した。
「魔王国を信用しすぎるのはどうかと考える! 奴らは魔族というよりは悪魔という情報も入っておるぞ!」
ベールをかぶった美しい女性が話に割り込んだ!
「悪魔か・・・・まだ噂のようなものではあるが、もちろん魔王国等、信用してはおらん! だがトーケン王国と魔王国の戦いの結果を見るに、今奴らと正面から敵対することは我が国の害になるであろう!」
唯一顔を隠さずに、堂々と姿を現している巨漢の男が話を始めた。
「それよりも、気になるのはカイエンのところに現れたという冒険者であろう!」
「我が国が送った影は決して雑魚ではなかった…それを全滅させておるからな!」
仮面の男が返答した。
「魔王国よりも、直近の脅威は間違いなく、その冒険者たちであろう! まさか影が口を割るとは思えんが、我が国の事が耳に入ったならば・・・・」
「全く男どもは・・・・そういう時の為に、奴らを飼っているのを忘れるんじゃないよ!」
ベールの女性が、苛立ちながら話した。
「奴らは、魔王国との戦いの為に温存するという話でなかったか」
フードの男がベールの女性を批判した。
「年寄りは、黙ってな!」
ベールの女性が吐き捨てな。
「メギツネが! 生きてここから出ることができると思うな」
フード男が立ち上がった。
「まあまあ、彼らの扱いは、私に一任されているはずですが!」
これまで黙っていた男が話を始めると、他の4人は緊張し、口を閉ざした。
「大丈夫ですよ、その冒険者の事はすでに把握しています! わざわざこちらから出向かなくても、あちらからやってきてくれていますよ!」
「何ですって!」
「なんだと・・・・」
他の4人が声を荒げてしまった。
「も、申しわかありません・・・・」
皆、落ち着きを取り戻して、口を閉ざした。
「我らの兵力では魔王軍と正面きって戦うには寡兵すぎます・・・・ただし、冒険者ごときに後れを取ることはないので、ご安心ください!」
それ以上、何かを発言するものは、その部屋にはいないようだ・・・・
「冒険者は全員で13人だ!」
3人の男女が大きな鏡に映るワク達を覗き込んでいる。
「あの3人以外は雑魚ね!」
彼女の額からは小さな角のようなものが生えている。
「どう見ても、こいつら人間じゃないな・・・・」
彼は3メートル近い体躯の大男だ。
「楽しみだ!」
リーダーらしき彼の口元からは小さな牙のようなものが顔を出していた・・・・




