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領地が欲しい

 ワク達が残った冒険者の一団を制圧するのは、それほど多くの時間は必要ではなかった! 

ドンカル達は、苦戦しながらも魔王軍をしりぞけた。どうやら、魔王軍は罠からドンカル達が逃げて、加勢してきた時点で本気で戦う気は失せていたようであった。魔王軍は適当に剣を交えた後、さっさと退却していったのである。


「ワク殿、ご無事か!」

 魔王軍が引き上げたのを確認し、ドンカル達はワクの元に駆けつけた。


「ああ、ドンカル殿! 今日の火責めの元凶はこいつらでしたよ!」

 ワクはドンカルを待つ間、軽く拷問して聞き出していた! 実際はとても人間は行う事がないような拷問であり、拷問されたものは半狂乱になっている。


 彼らは、やはり冒険者を装っていた隣国の密偵たちであった。彼らは国を挙げて、魔王国軍と取引をし、彼らの国に攻め込まない代わりに、トーケン王国の反乱分子の掃討に協力していた。 

「つまり、敵は目の前の魔王国軍だけでなく、背後にもいたということですね!」

 今回、捕らえた密偵達はトーケン王国の北東に位置するレーン共和国のものたちである。

レーン共和国は小国であり大きな武力は持っていなかったが、情報機関や諜報機関が発展し、周辺国で暗躍していた。それにより、自国への侵略を防ぎ、周辺国同士の戦争を助長して、各国の国力を削っていた。

 

「やはり、あの国が動いていたか・・・・」

 さすがに騎士団長まで務めたドンカルはレーン共和国のうわさくらいは耳にしていたようである。

 ドンカルはワク達が捕虜にした密偵達を、捕獲して伯爵邸まで護送した。カイエン伯爵は、密偵達を牢に収容し、さらなる取り調べを行った。

 その結果、今回カイエン伯爵家を取りつぶしたあかつきには、その領地の一部を割譲することまでも、魔王国から約束されていたことが判明した。

「このまま放置するわけには、いかんな・・・・」

 カイエン伯爵は魔王軍と、レーン共和国に前後をはさまれ、身体窮まっている状態であった。

 レーン共和国を放置するわけにはいかないが、魔王国の駐屯地を破壊した今、魔王国対策として兵を動かすわけにはいかなかった・・・・


「伯爵、少しよろしいか」

 今後の方針を話し合う会議で、発言したのはワクである! 今回の駐屯地襲撃の大功労者ということで、特別に冒険者でありながら、会議に出席しているのである。


「おおっ、ワク殿か! この状況だ! どんな意見でも大歓迎だ!」

 カイエン伯爵はワクならば何かいいアイデアを提案してくれると期待している。


「伯爵殿が兵を動かせないのは、当然です! レーン共和国には私がまいりましょう!」

 ワクは自信ありげに前に出た。

「もちろん私たち3人だけでは、流石に心もとない! 私が選んだ冒険者を10人ほどお貸いただければ、問題ありません!」

 魔王国対策を考えれば、なるべく多くの兵を残したいと皆考えてはいたが、レーン共和国も小さいとはいえ一つの国である少なくとも、数百の兵は必要だろうと誰もが考えていた。


「ワク殿、その程度の数では、何もできずに逃げかえてくるだけではないか! 100の兵をそなたに授けよう!」

 カイエン伯爵は100の兵でもレーン共和国の足止め程度にしかならないと考えていたが。それでよいと思っている・・・・


「100ですか・・・・やはり兵は10人で問題ないです・・・・その代わりといっては何ですが、レーン共和国の領地を奪った場合、私の領地とすることをお認め頂きたい!」

 ワクはついに本音を吐いた。


「何っ!」

 カイエン伯爵は眉をひそめたが、すぐに平常心を取り戻した

「よいだろう、切り取り次第、領地とすることを認めよう!」


「ありがとうございます!」

 ワクはついにやけてします・・・・人間のカイエンに領地として認めてらうことに悪魔であるワクに意味などなかったが、今のワク達は悪魔といってもわずか3体である! 魔王国だけでなく悪魔神城も対立しているワクにとって、人間社会の1勢力として公に求めてもらうことには大きな意味があった。


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