苦渋の決断
「おい、ちょっと待てっ!」
ランドとリウは剣を抜いて、獣たちの前に飛び出した!
「な、なんだ、お前たちは・・・・」
獣たちは、このタイミングで人間が現れるとは、全く考えていなかったようで、かなり取り乱していた!
「この人間を取り戻しに来たのか・・・・」
山犬騎士がランドに尋ねた!
「ああ、今はその人を置いていけば、お前たちの事は見逃してやってもいい!」
ランドは剣を数回、獣たちの前で振って、自分たちの強さをアピールした。
「町長、ここはわれらに任せてお逃げください!」
アライグマ町長は、騎士たちの提案に対して受け入れることをためらったが、ここで
人質を含めて自分たちはとどまることが足手まといになると考え、苦渋の決断ながら、騎士たちを残し走り出した。もちろんエルフは町長たちが連れている・・・・
「あっ、まてっ」
ランドはエルフを連れて逃げる町長を追おうとしたが、その前を獣騎士たちが立ちふさがった!
「お前たちの相手は、我々だ! まさかたった二人で我々に勝てると思っているのか・・・・」
確かに、普通に考えればランド達2人と獣騎士たちでは多勢に無勢であった! しかし、ほとんど戦いを知らない獣騎士たちと、戦いの中で生き抜いてきたランド達では、戦いにすらならなかった・・・・
「ザンッ!」
「これで最後ね・・・・」
リウは最後まで粘っていた山犬騎士頭を上段切りで真っ二つに切り裂いた!
「こっちも終わった」
どうやら、ランドも残った騎士を打ち倒したようであった・・・・
「あいつら、何処までにげやがった・・・・」
すでにアライグマ町長たちの姿はどこにも見当たらなかった!
「ランド、ダメよ!」
リウはランドを制止した!
「わかってる・・・・」
今度はランドも素直に従った! 土地勘もない山の中で獣を追っても道に迷うだけで道に迷う可能性の方が高かったためである! それよりも今はディア達を探すことが先決であった!
「残念だが、奴らが来た方角に向かうぞ・・・・」
2人は獣の集団が向かってきた方向に沿って駆け出した!
やがて2人はディアやアライグマ町長が通り抜けた半透明の壁に行きついた!
「これは・・・・」
半透明の壁の前には多くの足跡が残っていた!
「どうやら、この向こうに何かがあるようだ・・・・」
冒険者である2人の判断は早かった! ランドとリウは迷うことなく壁の中に帯びこんだ!
「こ、これは・・・・」
2人が見た光景はディアやアライグマ町長が見た巨木郡とエルフが存在する不思議な光景である!
ただ一つ違うことは、ランド達が現れてすぐ、2人はエルフに囲まれてしまったということである。
「やっとあらわれたか! 今まで、何処に隠れていた!」
ランドとリウを囲んでいるエルフ騎士の一人が話しかけてきた!
「隠れる? 何のことだ?」
ランドとリウは戸惑っていた、温厚で知られるエルフがいきなり剣を抜いて目を血走らせながら、声を荒げていたためだ!
「すぐに大臣殿にお知らせするのだ!」
ランド達を囲んでいたエルフ騎士の一人が走り去っていった。




