表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
122/177

誘拐

 時間は少し遡る・・・・ディア達がエルフ国に侵入したすぐあと、アライグマ町長率いる討伐隊はディア達を捜索して彷徨っていた。


「こちらの方に向かって足あとが続いています・・・・」

 山犬騎士が人間の足跡らしきものを発見した。彼はもともと狩猟を得意として、人間ならば水辺に現れるはずだと予見し小川の付近を捜索しようと提案したのも彼であった。


「でかしたぞ!」

 アライグマ町長は山犬騎士を褒めたたえ、彼を先頭に討伐隊は小川に沿って歩き出した。


「どっどおっ」

 討伐隊の進む方向で大きな音がして煙が上がっている。アライグマ町長たちは煙が立ち上がる方角に向けて走り出した!

 しばらく進むと半透明の不思議な壁が存在した。騎士の一人が、その壁に手を差し入れた

「町長、どうやら、向こう側の何かに繋がっているようです」

 町長は危険だからやめるように言ったが、騎士は自分が最初に行ってみるといい、壁に体ごと入っていった! しばらくすると、その騎士が何事もなく戻ってきた!

「町長、すぐにこちらに来てください!」

 騎士は言葉で伝えるより、見てもらった方がいいと思い、あえて何も言わなかった。

 アライグマ町長は躊躇したが、騎士の真剣な顔を見て、壁の中に入った! 他の討伐隊も恐る恐るではあったが、全員壁の中に入っていった。

 

「こ、これは・・・・」

 そこにはディア達のみた光景と同じ巨木と、そこに住む人たちの営みがあった!

「に、人間が、これほど多くの人間が・・・・」

 討伐隊の皆が、初めて見るその光景に驚き声をなくしていたが、討伐隊の一人が思いついたように言葉を発した。

「これは、おそらく人間たちの隠里に違いない! 我らから逃げて、食料にされないように、ひっそりとここに隠れているのだ!」

 隠里というにはあまりに、大きな都市であったが、獣以外の種族を牧場やペットとしてしか見たことがない彼らにとって、その思い付きはばかげた話ではなかった!


「なるほど、そういうことか! この隠里の人間が我ら食物連鎖の上位にいる獣に反逆するために、刺客を送って村を全滅させたということか!」

 アライグマ町長以下討伐隊の獣たちの顔はいっそう険しくなった!


「キャッ!」

 突然叫び声が上がった!

 町長たちが声の方角を見ると、一組の男女のカップルがいた!


「しまった見つかったか!」

 山犬騎士が飛び出して、声をあげた女の方を一突きで、刺殺した!


「そ、そんな・・・・!」

 もう一人の男性が、その光景を見て顔面蒼白で彼女に駆け寄った!

 山犬騎士はすかさず、男性を切り殺そうと剣を振り上げた時、アライグマ町長が山犬騎士に声を掛けた!

「待つんだ! そいつは連れて帰る!」

 アライグマ町長は、これだけの規模になれば、自分たち討伐隊では到底解決することは不可能だと判断し、男の人間1匹を連れ帰り、首都の大統領に報告するべきだと考えた!

 騎士数人で男のエルフを縛り上げ、討伐隊は他の人間たちに見つかる前にもと来た道を急いで引き返していった。


「町長、あそこにいた人間たちは皆耳が尖っていました。私の知る人間とは少し違うようですが」

 有志で討伐隊に参加している一人が町長に尋ねた。


「私も、この耳のとがった人間を見るのは初めてですが、我々獣にもいろいろな種族がいるように人間にも多少種族の違いがあるのでしょう・・・・」

 耳について、不思議に思っていた討伐隊の他のメンバーたちも、その話を聞いて、なるほどさすがは町長だと納得するとともに感心していた。

 こうしてアライグマ町長率いる討伐隊はエルフの男性を捕獲し、ひと先ず町に戻っていった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ