エルフ国
「ドバッ!」
王の間にいた面々の顔が蒼白になった!
「け、結界が消失しただと!」
ここエルフの国の結界が張られてから500年これまで一度も結界が破られたことはなかった! それが破るところか、エルフの国全体を覆っていた結界が一瞬で焼失したのだ、彼らの驚きは衝撃的なものであった!
「いったいどうしたというのだ! すぐに調査隊を出すのだ!」
大臣の指示で騎士隊が結界消失の調査に向かった! 彼らも決起会消失の重大さが分かっていたため、準備もそこそこに、可能な限りの人数で出発した。
「大臣! 一刻も早く再度結界を張らなければ!」
エルフ王は、慌てながらも、最優先である結界の再作成を指示した!
「もちろんでございます! しかし我が国を覆っていた結界は500年前の最上級の魔導士たちが結集して作成したものでございます! 」
大臣はそれ以上話すのをためらったが、続きを話し始めた・・・・
「今のエルフ国には当時のような力のある魔導士が存在しません・・・・外との交流が無くなり、魔道士たちが当時のような力を必要としなくなったため、皆ここ数百年の平和に甘んじていたために・・・・」
「それでは、再び結界を張ることができないというのか・・・・」
王は顔を青ざめさせて大臣に尋ねた!
「結界を張ることはできます・・・・しかし、そのためにはエルフの国の外から強大な魔力をもつ者を複数招致する必要があります」
大臣は顔をしかめて、王の問いに応えた。
「なんと・・・・今のエルフ国には自国を守る結界を張ることができるものがいないというのか・・・・」
王は膝を落としそうになったが、王として立ち上がらなければ、国が滅びてしまうと考え、気持ちを強く持って再度大臣に尋ねた。
「強大な魔力を持つものとは、何処にいるのだ?」
「我が国は数百年、他国との交流を避けてまいりました・・・・そのため現在それだけの魔力を持つものがどこに存在するのかさえ分からない状態です! まずは調査隊を各地に派遣し、併せて侵入者対策として国境付近に兵を配備又は・・・・」
大臣は言葉を発することができなくなり、黙ってしまった・・・・
「または、どうしたというのだ! どんなことでも私は知らなければならない!」
エルフ王は大臣に強い口調で尋ねた。
「はい・・・・現実的に考えて、再度結界を張り鎖国状態を続けることは不可能に近いと考えられます・・・・鎖国をやめて他国との交流を開くべきかと・・・・」
大臣はエルフ国が最も恐れていることを口にしてしまった!
そもそも500年前にエルフ国が結界を張り他国と鎖国状態になったことには理由があった! エルフはその見た目の美しさにより多くの種族から狙われた。人身売買や、誘拐、戦争とエルフの人口は一気に10分の1近くまで減少してしまった! そのためエルフたちは人里から離れた奥地に国を移し、誰にも知られないように結界を張ったのであった。
その結果、エルフ国は平和を享受し人口も大幅に回復した! この歴史はエルフならば誰しも知っている事であり、他種族と交流しようとするエルフも当然の様に皆、無であった。
「それではまた我々エルフは過去に様な悲劇が襲うことに・・・・」
エルフ王はそれだけは何としても避けなければならないと考えた! ここに至っては方法は問わない、協力してもらえるならば、相手が悪魔だろうが魔王だろうが何でも構わないと考えるほどに・・・・




