ジェニー
「おっ、おきたか!」
少女はディアの背中で目を覚ました! ディアは一旦少女を背中から降ろした。
「いいか、落ち着けよ! 崖から落ちたことは覚えてるか・・・・オレがお前を助けてやったんだ! 残念ながらランド達とははぐれちゃったからな・・・・今はおれたち二人なんだ!」
ディアは少女がパニックになってまた走り出さないように、ゆっくりと話をした!
少女はディアの話を聞いて、あたりをキョロキョロ見回した。リウとランドがいないことが分かると少し落ち浮いたようだった!
2人はしばらく休憩した後、再び小川に沿って歩き出した。
「名前は・・・・そうだったABC123だったか・・・・」
ディアはずっと無言の空気に耐えられず、話をふってみた・・・・
「N563」
少女が小声で応えた。
「えっ? 何っ?」
「名前はN563です・・・・」
少女は今度は少し大きな声で話した。
「ん-っ、なんだかその名前は呼びにくいな・・・・そうだジェニー、ジェニーにしよう! 今からお前の名前はジェニーだ!」
ディアは少女に不用意に名づけをしてしまった・・・・
「えっ・・・・なに・・・・少女の体がほのかに光った!」
あっ、これって、もしかして・・・・ディアは名づけしてしまったからだと、気づいた!
「やってしまった!」
少女の体の光がおさまった。ディアは少女の体を隅々まで観察した。
「特に何も変化してみたいだな!」
ディアは少女に大きな変化がないみたいで安心した。再び二人は歩き出したが、ジェニーは自身の体に何か違和感を感じてボーッとしていた。ディアは最初に名づけしたワクが、その後どうなったのか知らなかったこともあり、悪魔神の彼の名付けの力をまだまだ認識していないようである。
ジェニーが何も話さないので、ディアは一方的に話をしながら1時間ほど歩くと、小川の横の道は大きなイバラの壁で行き止まりになっている。
「なんなんだよ、これ!」
ディアは不安そうなジェニーを見て声を掛けた。
「あ、大丈夫だ! こう見えてもちょっとした魔法が使えるんだ」
ディアは手をかざした! 火炎の魔法でイバラの壁を焼き尽くすつもりだ!
「こんな感じかな・・・・」
ディアは指輪の効力を少し抑えて魔力を解放した!
「えっ・・・・」
火柱が数十メートル登った!
「やばいっ」
ディアは慌てて、火炎の塊をいばらの壁に投げつけた! いばらの壁は一瞬で燃え尽きてしまった!
「お、おおっ! 思ったより大きな火の玉になっちゃたけど、こういうのを結果オーライっていうのかな・・・・」
ディアは誰もかれのことを責めていないのに、何故かいいわけじみた独り言を話した。
ジェニーはそんなディアを見てほほ笑んだ!
「あっ、今笑ったな!」
ディアはジェニーを指さして、突っ込んだ! ジェニーは顔をほのかに赤くして恥じらっていたが、まんざらでもないようだった・・・・




