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討伐隊

 翌日の早朝、庁舎前の広場にアライグマ町長と、5人の騎士の姿があった。残りの騎士は町の治安を守るため、この数が精一杯であった。

「町長、そろそろ出発しますか?」

 騎士隊の隊長が町長に声を掛けてきた。彼はすでに60歳を超えて、通常なら引退しているか、事務方に回っているような年齢であったが、人材不足で後任がいないためであった。


「もう少し待ってみよう・・・・きっと・・・・」

 すでに予定時刻は過ぎていたが、討伐隊の有志で現れるものの姿は1人も現れなかった。やはり村を全滅させたような野良人間の討伐に向かうような勇気のあるものはいないのだろうか・・・・町長は仕方ないと思いつつも、どこかで期待をしているようだった。

 30分ほど待ってみたが、やはり現れる者はいなかった・・・・

「町長・・・・」

 再び隊長から声がかかった。


「うむ・・・・仕方ないか・・・・」

 アライグマ町長は諦めて出発しようとした・・・・その時であった。


庁舎に向かって歩いてくる人影が見えた!

「町長、待たせたな!」

 雑貨屋の主人だった。


「遅くなって、すまない」

 通りの反対側から、やってきたのは町長の同級生の大工である。

 その後もどんどん人が集まって、融資は総勢10人にもなった! みな家族の反対にあったり、家族の見送りが思ったより長くなったりと、各々事情はあったようだが、昨夜のうちに討伐隊への参加は決めていたのだという。

「お前だけに任せておけないからな!」

 同級生の大工が町長の肩を抱いて涙組む彼を笑って励ましている。

 有志隊10人を加えて討伐隊は総数16名であるが、平均年齢は60歳を超える若干不安な陣容であったが、町長は満足していた。

 隊長は騎士隊庁舎にあった槍を集まった有志隊に配った。槍はかなり古いものであったが、しっかりと整備されていた。

「おいおい、オレ達だけじゃなくて、槍も結構くたびれてるな!」

 有志隊の一人が軽口をたたいた。


「はい、この槍は古くて使い込まれてますが、今でも鋭い切れ味です!」

 隊長は口角をあげて軽口に応えた!

 こうして野良人間討伐隊は町を出発したのである。


 その頃、ディア達は、次の村にたどり着いていた。

「ここも獣しかいないようだな・・・・」

 木陰から様子を見ているランドが、語り掛けた・・・・

 村の入口付近にはディア達のうわさがすでに流れているのか、竹やりをもった村人らしきイノシシ2頭が警戒していた。


「昔、うわさで聞いたことがあるわ! どこかに獣の国があるって・・・・おそらくここがそうなのね・・・・」

 リウがいつでも、再び村を殲滅できるという気配で剣の柄に手を置いている。

 

「エルフの国に向かってたのに、こんな獣ばかりのとこなんてな・・・・」

 ディアは美男美女のエルフを思い浮かべていた。


「とにかくだ、嵐で船も壊れて、なんとか陸路で、この国を抜け出さないとな・・・・エルフの国もそうだが、とりあえず人の国にいかないとな・・・・」

 さ。すがにリーダーだけあり、ランドが一番冷静であった。


「この村はどうする? またやるのか?」

 ディアはやる気一杯のリウを見ながらランドに尋ねた。


「いや、ここはスルーしよう! 必要以上に殺して回る必要はないからな!」

 ランド達は、最初の村の獣の肉をいくらか確保して出発していた。当分食料に困ることはないだろう! リウはランドの決定に若干不満げではあったが、特に反対することなく従った。


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