表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
111/177

後片づけ

「よし、行くか!」

 ディアはこの村でやることも、もうないと考え軽く背伸びをした。ランドもディアと同じ考えだったようで、荷物を肩にかけて、出発の準備をした。


「まだだ!」

 リウの目には、まだやることが残っていると考えていた。それを聞いた、ディアとランドは不思議な顔をして、リウの顔を覗き込んだ!

「お前たちは、ここで待っていろ!」

 そういうと、リウは荷物をランドに預け、村の中に戻っていった。


「どがっ」

 リウは1件の建物の扉を蹴破った! 中には大アリクイの妻と2人の娘が肩を寄り添い震えていた・・・・

「ドスッ! ドスッ! ドスッ!」

 リウは表情一つ変えず、3匹の胸をそれぞれ一突きした。リウは同じように家々のドアを蹴破っては、家の中にいた、すべての獣のメスと子供たちを殺害して回った。


 ディアとランドは、リウが何をやっているか理解したうえで、黙って村の片隅でリウを待った。

「あいつ、すごいな!」

 ディアはランドに小声で語りかえた。


「オレもわかってはいたが、実行しようとは思わなかった・・・・」

 リウは1匹でも残せば、その残った獣が父親を殺した人間に恨みを抱くことが分かっているため、すべての村の獣を殺害して回っていたのだ・・・・

 その姿は、悪魔の心に浸食されつつあったディアからみても、異様であった!


 1時間ほどして、リウは全身を返り血で一杯にして戻ってきた。

「おつかれ!」

 ディアは一言だけ声を掛けたが、聞こえているのか聞こえていないのかリウからの返事はなかった・・・・


 ランドは何も言わずにリウの手をひいて井戸の方に連れて行った!

「バシャッ!」

 ランドは無言で何度もリウに激しく水をかけ続けた!

 リウは、何も言わずにランドのなすがままに立ち尽くしていた。



 ディア達が、村に到着した頃、ディア達から馬車で逃げ去ったカバは、この辺りで比較的大きな街に到着していた。この街はこの辺りの中核都市で、周辺の村々の指導を行うことも、この街の役割の一つになっていた。


「大変です! 大変でございます!」

 アライグマの町長室に、数人の獣たちが駆け込んできた。


「い、いったい、どうしたというのじゃ!」

 町長は、獣たちの表情を見て、何事が起きたのかと思い、慌てて問いただした。


「野良人間が出ました! その野良人間たちは剣をもって、獣を襲っているようです!」

 町長は、話を聞いて、全身から血の気が引くのを感じた・・・・町長になって、30年これまで大きな事件は一つもなく、平和に任期を送ってきていた。あと1年で、引退する予定だった、彼は最後の最後に大変な事態に遭遇してしまったわけである。


 この街に逃げ込んだかばであったが、彼はディア達が獣を襲っているかどうかは知るはずもなかったが、その恐怖心から、悪気なく悪鬼の如くディア達の事を語ってしまっていた。


 これを受けて町長は住民の主だったものを集めて対策会議を開くことにした。それと同時に周辺の村々に、野良人間の発生と注意を促す通達の早馬を出したのである。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ