包囲
「おい、あいつら出てこないぞ・・・・」
鍬を持っている大アリクイが不安そうな顔で頭を抱えている。
「これだけの数で威嚇すれば、あいつらも逃げるはずだ・・・・たぶん・・・・」
狐が細い目をさらに細くしてハイエナの家の中を覗き込もうとしている。
「とにかく、ハイエナさん一家を無事に救出するんだ!」
村の若手のリーダーのヤマネコが動揺する獣たちを落ち着かせようとしている。
「コロコロコロ・・・・」
家の中からハイエナの首が獣たちの足元に投げ捨てられた・・・・
「ぎゃああああああっ」
ハイエナの生首を見た獣たちは悲鳴を上げて、尻元を突いた。
「お、おい、しっかりしろ!」
ヤマネコは何とか、リーダーシップをとろうと頑張っている。その力強い声で、他の獣たちも、パニックに陥らずに、なんとか再び立ち上がった。
「い、家の中の人間・・・・よ、よくもハイエナさんを・・・・許しがたいが・・・・奥さんと子供たちを解放すれば、い、命は助けてやる・・・・」
ヤマネコは残ったハイエナの家族だけは助けようと必死だった。しかし、その声は明らかに震えていた・・・・
「おい、あんなこと言ってるぞ!」
ディアは、家の隙間から、外の様子を観察している。
「あいつらが手に持っているのって、どう見ても鎌とか鍬だよな! 普通に戦えば勝てるんじゃないか?」
ランドは少し今の状況に飽きてきたようで、なんでもいいから早く終わりたいという雰囲気を出している。
「そうだな、あの女の子無視すれば、それも行けるんじゃないか!」
ディアが、そんなランドの雰囲気を察知して、同意しようとしている。
「そんなのダメよ! あの子は助ける!」
リウは一人だけ鬼気迫る雰囲気である。
「・・・・どうしてもっていうなら、オレに任せろ!」
ディアはそういうと、リウとランドに指示を出した。
「やまねこさん! 何の反応もないけど・・・・」
きつねが心配してヤマネコの耳元で話しかけてきた。
「ゴロ、ゴロゴロ」
ハイエナの家から、3つのものが獣たちの前に投げ捨てられた。
ハイエナの母と子供たちの頭部であった。
「あうわああああああっ!」
獣たちは先ほどよりもショックが大きかったようで、嗚咽して吐くものまでいた!
「ずんっ!」
家の中から高速で何かが飛んできた! それはあまりに早く、獣たちは、何かが飛んできたことにさえ、気づいていないようだ!
「どさっ」
少女に鎌を突き付けていた大アリクイが突然倒れた! 大アリクイの額には大きな穴が開いていた! 家の中から投げられたのはハイエナの子ども遊んでいたおはじきであった! 大アリクイはおはじきによって頭部を破壊されてほぼ即死であった!




