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非生産的活動は慎もう

 小川俊樹!

 

 小川の端正な顔が目の前に迫った。爆弾が破裂したような衝撃……。


 ・

 ・・

 ・・・

 ・・・・

 ・・・・・

 ・・・・・・

 ・・・・・・・

 ・・・・・・・・

 ・・・・・・・・・


 気がつくと僕は宙に浮いていた。死んでしまったのだろうか。


 下を見ると何人もの白衣を着た人間が顔の潰れた僕を蘇生させようと懸命に動き回っている。

 

「そんなに頑張らなくていいです」


 咎めるように言った。もしこれで生き返ったりなんかしたらたまったもんじゃない。


「もう放っておいてくれ」


 白衣軍団は一向に介することなく動き続けた。


 僕の胸に注射したり電気ショックを与えたりしている。


 見ていられなくなって外へ出た。


 出てすぐ左のソファーに父さんと母さんが寄り添って座っていた。ハンカチを目に当てながらお互いの手を握り合っている。


 キモイ。キモイキモイキモイ。申し訳ないけどキモイよ二人とも。


 遺書見たんだろ。だったら諦めてよ。


「僕はこれからイケメンに生まれ変わるんだから心配しないで」


 耳元で母さんに言ったが反応はまったくない。


「なんだよこれっ」


 大声が聞こえた。それは明らかに異質な声だった。聴覚ではなく心臓に直接響いているような感じ。


 呼ばれているような気がした。


 声がした部屋に飛び込む。


 そこに浮いていたのは頭を抱えた小川俊樹だった。


 なんと声を掛けていいのかわからない。


 まともに話したことが一度もないのだ。


 でも謝らなければいけないだろう。謝らなかったせいでイケメンに生まれ変われないなんて事態になったら大変だ。


「あの、この度はどうもご愁傷さまでした」


「ん、あんた俺が見えるのか?」


 小川が言った。目が血走っている。


「はい。だって同じ……」


「なあ、なんでこいつら俺のことシカトするんだ。なんでこいつらを触ろうとしたらすり抜けるんだ」


 小川が僕の肩を揺さぶった。


「なあ、ベッドで死にかけてるこいつは誰なんだ?」

 

 小川の台詞に思わず固まった。ひょっとして小川は……。


「なあ、俺は誰なんだ。なにがなんでどうなってるんだ。頼むから教えてくれよぉ~」



 

 



 

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