第四話 これからの未来
僕は死んだ。
死んだはずだった。
(なのになんだこの光景は)
目が覚めると僕は驚愕した。
目の前に広がっていたのはあたり一面砂の広大な砂漠。
先を見ようとしても、永遠と続いているように見える。
「おいおいおっさん、ここが異世界ですか。」
呆れた口調で僕は言った。
そして笑った。
「なんだよ…クソ面白そーじゃないか!」
”自由”。
これほどこの世の中で美しい言葉はないと瞬は思った。
僕は「ホーーウ!」 と陽気な声を上げながら砂漠中をはしゃぎ回った。
(これが砂漠の砂!人生で初めて触った。思ったよりサラサラな気がする)
「異世界楽し!」
ーーー
数時間が経過して僕はようやく現状を砂に手書きで描いていった。
まず初期リスが砂漠、これは少し厄介な点が多すぎる。
場所が不明、食料や水分の確保が困難、そして何より、昼と夜の温度差だ。
先程は楽し過ぎて少しドーパミンが出過ぎていたが、今となっては疲れ果てて喉がカラカラである。
そして暑い。
服装は転移されたときと同じ服装、つまり制服のまま。
服の中はすでに汗まみれである。
でも、悪いことばかりでもなくいい事もあった。
僕は転移されるときリュックを背負っていた。
でも今は持っていない。
案の定、砂の中を掘り進めてゆくうちに自分のリュックを発掘した。
リュックの中にはノート、教科書、筆箱、学校のタブレットだけだった。
でも僕は思い出した。
(あれ、確かサイドの方に)
リュックのサイド側を確認すると水筒を発見した。
中身を恐るおそる確認すると、
(ポチャンポチャン)
まだ中には水が入っていた。
しかもかなりある。
転移する前、学校の水道で水をがぶ飲みしたおかげか、ほとんど水筒の水を飲んでいなかったからだろう。
そしてもう一つ、スマホがあった。
もしかしての可能性を込めて、電源を入れた。
しかし、もちろん圏外だった。
「はー、そりゃそうか。」
他には何か使えるアプリはないかと必死に探したが、使えるのはカメラ機能と夜間に便利なライト機能のみだった。
現状は把握した。
あとは行動に移すだけ。
とは言っても、正直ここからは運任せだ。
水とライトは手にあるが、方向が分からない。
どちらへ行っても同じ景色が続いている。
オアシスや集落なんて微塵も見えない。
「でも、とりあえず歩かないと」
僕は前へと歩き出した。
歩いていく最中、僕は異世界と現実世界の経由能力、 ”レード” について考えていた。
(あのおっさんが言っていたにはレードというものには様々な能力があり、そして発動条件というものがあるというのは覚えている。でも、肝心の発動条件だけが分からない。なんであそこだけ聞き取れなかったんだ。)
なので僕は転移した瞬間を思い出した。
(そうだ思い出したぞ!僕はあいつに殺されたんだ。何か呪文なようなものを唱えて!)
そのことを踏まえると僕は一つの仮説を生み出した。
”死んだら異世界と現実世界を経由する”
という仮説だ。
今の現状では、この説が一番しっくりくる。
そして転移された後は、
”転移された瞬間に身につけていたものも一緒に転移される”
これも恐らく合っているだろう。
まだ確証はないがレードの大体のルールを理解した。
でも、まだ一つ疑問に思っていることがあった。
(あの男は誰だ?レードも所有していて、なんなら僕にそのレードを渡してきた。)
あの男の言動を思い出す。
(こんな時 ”カヤ” がいたらどうするだろうか)
(早く帰らないと家族が家で待っている。)
(私はずっと前から道を間違えていたのかもしれない)
(道を間違えるな。退屈という概念に囚われるな。考察しろ。自分の未来を。そして助けろ。関係を持った人たちを。)
それぞれの言葉が頭の中を過ぎる。
(あいつは僕に何か伝えたかったのか?)
一回殺されたやつのことを考えるのは、妙な感じがした。
分からないことばかりだったため、僕はこれからテーマを考えることにした。
僕は何をしたくてこうしている、答えは一つだ。
「”退屈な人生を楽しい人生に塗り替えること”」
そうして僕はまた一歩前に向かって歩き進む。
初めて二日連続で描いた。
これが普通なのか、ごめんなさい。




