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聖女のパパも楽じゃない  作者: 2626


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第37話 応報

 【聖女委員会】の大聖女がルリアナからケレミアに代替わりしたと公表すると、世界中を揺らした【託宣機構】の真相開示後の大混乱も、いったんの収束を迎えた。




 諸々の責を問われてルリアナは収監。

ベルデッガーは王国の司法の元に裁判を待つ身に。

その他の【聖騎士】は処罰後に【近衛機兵】へと吸収。

新しい大聖女ケレミアの元、今までとは打って変わった環境で【聖女】達は鍛えられることになった。



 「……おい、セイジュール殿下」

【聖女委員会】本部の『仕事部屋』はひっきりなしに人の出入りがある。

本来の大聖堂の修復が終わっていないので、今だけ適当な部屋を使っていた。


 新たな大聖女ケレミアは慣れぬ書類と睨めっこしていたが、飽きたので車椅子のセイに話し掛ける。

「なあ、【託宣機構】だけどさ、これからどうするんだ?」


 あんな【悪魔】みたいな代物の存在が公開されたのだ。

 このまま放置しておく訳には行かない。


 「ヘイゾー博士が解析中だが、恐らくは。 いずれ解体して彼女達を救出することになるだろう」

平行して【託宣機構】の代替となる装置の開発も、レベッカと協力しながら進めて貰っているのだ、と彼はまだ青白い顔をして呟いた。


 考えるだけでケレミアもゾッとしない。

「まだ、あの中でみんな生きているんだっけな……それも意識を保ったまま」


 そうだ。

 ケレミア本人だってあの中にもうすぐ放り込まれるはずだった。

 一度そうなれば、身体的な寿命が尽きるまで、【悪魔】の予知をするための生贄として――。


 「だが。 ヘレネはまだ生きている。 まだ生きてくれている――」


 窓から外を見つめて、セイは繰り返した。

 まだ青白い顔だけれども、その目の中には強い光がある。


 「ヘレネのために私はどのような絶望にもこの15年耐えてきた。 今更焦って台無しには出来ない」

「15年以上恋人を思い続けた挙げ句に【聖女委員会】まで滅茶苦茶にした男が言うと、冗談抜きで重たいんだけど……」

呆れてケレミアが呟くと、セイは微笑んだ。

「自覚はある。 だが、アイツ程じゃあないぞ」


 ケレミアも微笑んで返す。

失った目の痕はもう痛まない。




 「そうさ、私達の『パパ』だからな!」

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