120:慣れないなら慣らすだけ
「それでその本を読んでるの?」
「うん。なかなか面白いよ?この小説」
あの日から数日、私はビネガーさんちの書庫からちょくちょく本を借りて読んでいた。
ていうか、なんで恋愛小説も豊富なんだろ……あの書庫……
「……で、参考になりそう?」
「なんとも言えない……ていうかゼロはそういうの詳しかったりしないの?」
「さすがに恋愛は……うん……」
まぁ、期待はしてなかったけどね。
ゼロの場合、恋愛じゃなくてそれ以外のことの方が詳しそうだし。
敢えて触れないけどね!
「……にしても、恋愛ものってさ、なんでたいだい結婚で終わるか、わきゃわきゃで終わるんだろ……」
「わきゃ……今はまだ子供向けなんだっけ?」
「そうだよ」
大人向け以外って意味じゃないよ?
ただ児童向けってだけだし……
「うん、読み終わったー……よし、そろそろ次の段階に行ってもいい気がする……」
「望月もよく続けられるよね……」
「まぁ、知らなきゃいけないことは知るべきでしょ?」
そう言ったらゼロには呆れられました。解せぬ……
とりあえず次の目標は私から佐藤にちゅーってすることなんだよね。
……どうやったらさりげなくできるかなぁ……
そういうことはアル王にもさすがに聞かないよ?
もちろんゼロにもだけど。
にしても……さりげなくってやっぱりむずかしいなぁ
「あ、今日のおやつ忘れてた。はい、今日はタイ焼きー」
「へぇ、これが……ありがと、望月」
しっかし、クリエーターの力で作るとホントどれも出来たてほかほかなんだよね
美味しいからいいけどそこだけちょっと不思議なんだよなぁ
借りた本を持って家に戻っていつものリビングぽいとこに行けば佐藤はもう帰ってきていた。
「佐藤早かったね」
「おーまぁな。……どんだけ読めたんだ?」
「そろそろTL行ける気がしてるよ!」
「……まぁ、読めそうなら別にいいけど……せいぜい悶えないようにな?」
何そのフラグ
とりあえず書庫に本を返しに行こうと思ってリビングぽいとこを出ようとしたら……
佐藤がついてきた。
「佐藤も本読むの?」
「いんや?」
じゃあなんでついてくるんだろ?
そう思いながら書庫について……その理由はすぐにわかった。
本棚の片隅、ドアから一番遠くて視界に入らない位置
どうあがいても佐藤に頬をぶにっとされて私はちゅーってされてた。
ていうか長い!……じゃなくてなんで一々頬を潰すんだ……
顔も熱いし……やっぱり佐藤はむっつりじゃないか……
「誰がむっつりだ」
「佐藤が……ってなんでそのことを」
「口に出てたけど?……うん、やっぱ望月はこうだよなぁ……」
佐藤はそう言いながらむぎゅってするけど……
なんか佐藤の心音……ちょっと早くね?
まぁ、それを口にするつもりはないけどさ……佐藤も、照れたりするんだね
オモチの本の読み方はだいたい流し読みです。
絶対TLを探してて間違ってBL取ってても気づかない
恋愛小説はあんまり読まない派なんだ。(完全に読まないとは言ってない)




