番外編17:アル王の話
出だし第3者視点、後半オモチ視点だよ!
――のちにカフェイン大国の唯一王族と呼ばれることになるアル・キングス・カフェインが生まれたのは、天気雨が降る日だった……
今でこそアル王以外の王族の存在を誰も知らずにいるが、彼とて人の子父王がいて、母王妃もいた。
もっとも、彼自身1人っ子ではあったが……
それでも城にはたくさんの働く存在もいた。
アルの母親が亡くなった日、彼は異世界へと飛ばされた。
カフェイン大国の宰相が亡くなった日、彼は何事もなかったかのように帰ってきた。
王は、アルを恐れていた。
なにせ彼は幾年経ってもその身に成長を見せなかったから……
最も愛おしい王妃を亡くし、最も信頼していた宰相を亡くし。
王に残されたのはそういう意味では不気味とも言える第一子のアルだけ
そうして王はついに狂いだし、ゆっくりと壊れていった……
その頃アルは自由気ままに世界を巡り、ある狼人の女性と出会い、秘匿されることとなる子が生まれた。
彼がのちに情報屋としてアルと同じように世界を巡る様になるとはこの時、アルはもちろん知らない……
――彼が、王として君臨したのは奇しくもアルが生まれた日と同じように天気雨が降っていた日だった
***
「……で、元帝国をぎゃふんってするのはいつなの?」
「ぎゃふん……それはわしが王になって間もなくじゃったのぅ……」
私は何故かアル王自身の昔話を聞いていた。
まぁ、暇だったからね!
ゼロが珍しくお昼寝してたからさ
「ていうか、黒歴史はないの?黒歴史!」
「あっても話すわけないに決まっておるじゃろう」
「ッチ……」
まぁ、カイルさんにアル王のやらかしたことすでに聞いてるけどさ。
そもそもカイルさん自身もそのときやらかしてたらしいけどさ
「そういえばアル王のお父さんはリデルさん達のこと知らなかったの?」
「父様か?あぁ、母様は存在には気付いておったんだがのぅ……」
「あぁ……アル王のお父さんは現実主義系か……」
「人類絶対主義ではないがな」
にしても、アル王がこんなに自分のことを話してくれるなんて珍しいこともあるもんだよなぁ……
そんなことを思っていたら突然ドアが開かれて……
「アル王……貴方、私の秘蔵のものを呑みましたね?」
「おぉ、リデルか。うむ、うまかったぞ」
「……とっとと水を飲んで寝てください。貴方はただでさえ弱いんですから」
……アル王とリデルさんの会話から察するに……アル王はリデルさんが隠してたお酒でも呑んだのかな?
そして下戸か……
ていうかだからあんなにアル王饒舌だったのかぁ……
バイト代値上げしてもらえばよかったな
「そういえばリデルさん。リデルさんっていつから自己を認識してたの?」
「そんな話をしていたんですか?」
「ううん、アル王の王になる前の話聞いてただけ」
少しの空白、リデルさんは小さく教えてくれた。
彼らが自己を認識していたのは、この大陸に国が3つできたときからだと……
ていうかリデルさんってお酒呑むのね
ようにはアル王の若い時の話。
そしてアル王は酒に弱い。
ついでにリデルは清酒派




