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猪突猛進ナル妹のビッグバン  作者: 月読カイト
四 魔王女は欲望にみさかいがない
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大天使と魔王の激突

「タケルよ、我をうけいれろ。悪いようにはせん…」

 その直後、薄暗い空間は切り開かれ、見慣れた顔が飛び込んできた。カレンとヒナタ、間に合ったようだ(何に)。

 だが妹にとっては、その光景だけでも、充分だった。上半身裸の兄の上に乗る、下着姿の女の子。その実態は魔王女。言い訳は不要。怒りが頂点になる。カレンはマジックアブソーバーを二つ用意していたし、その使い方もわかっていた。

「時間遅延・筋力暴走」

 吸収した大天使の魔力を流用して、高位の移動における最高の魔法を使った。その筋力でタケルをすくいあげ、逃走するだけだ。あとは…

 そこには、魔王と大天使が対峙していた。二人の怒りはマックスになり、レオンの周囲の家は竜巻に巻き込まれたようにちぎれ飛んでいく。二人を包む魔力のぶつかり合いがそれを引き起こしている。暴走だ。

「てめえいい加減にしろ!」

 妹の声で妹の周囲から聖なる雷が周囲に乱舞した。木を割き、車を爆発させる。それは徐々に収束し、ベルにぶつかる。

「じゃますんじゃねえ!」

 ベルの怒号とともに黒い炎がベルの周囲に現れると、それは大きくなるとケルベロスの形に姿を変え、ヒナタに襲いかかる。三首の大きな狼は大口をあけてヒナタにかぶりつく。その漆黒の爆炎に周囲の可燃物は全て燃え、そうでないものは形を変えた。


 その惨状のはるか上空に、レオンはいた。目を伏せ、唱える。

「空間修復」

 爆発した車も、砕けたガラスも、全てあるべき姿に戻っていく。

 ただし、二人の戦いは超スピードで行われていた。風景だけが、ゆっくりともどっていく。そして、修復が完了した時には、彼女らは魔力の使い過ぎと疲労で、疲れ果てて倒れた。


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