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猪突猛進ナル妹のビッグバン  作者: 月読カイト
四 魔王女は欲望にみさかいがない
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魔王の城

 一行は戻ったものの、ベルの処遇に困っていた。

「とりあえずその格好は、変えていただけないか?」

 レオンは魔王に言った。ベルは肌は浅黒く、ほとんどビキニに近い露出度だった。コウモリの羽は、幾重にも生えていたし、ウシような角も生えていた。

「この機能美!かつ美しい格好をやめろと申すか、愚か者め!」

「センスが…ね」

 ヒナタもドン引きである。

「ベル様、クララのような格好にはなれますかな?」

 カレンが提案した。

「造作もないわ」

 ベルは一瞬無数のハエになったが、ほどなく合体した。

「…かわいい!」

 クララが感嘆の声をあげた。肌の色を変えて着替えただけにしか見えないのに、ベルはそのキャラを萌えに変えた。別人だった。

「かわいいか?…複雑だが悪くないの!我はこれでも魔王じゃから、レオンと比べてもらっては困るぞ!」

 ベルはその言葉に反して、とても単純な女の子でしかなくなっていた。レオンはそこを担いだ。

「魔王ベル様、ついでといっては何なのですが、この矮小な『ヒト』の家が、消失しております。そこに新たな居城を作られてはいかがでしょう?」

 怒るタケルとヒナタに目で合図をする。二人は真意がつかめなかった。

「おお、ちょうどいい空地じゃの!…ちと狭いが、まあよかろう。では我が魔力、括目せよ!」

 ベルは両手を上にあげると、そこにコウモリが無数に飛来した。夕暮れ時でその数は膨大になっていた。ベルの手の上で真っ黒に飛来するそれを使役して、ベルは両手を空地に向けた。

「いでよ!我が城!」

そのコウモリが集まって空地は黒に埋め尽くされた、ほどなく魔法陣が自動で形成され、その周囲からは白煙が立ち込めた。

「こ、これは…!」

 ヒナタは絶句した。そこにできたのは紫の土くれでできた、塔のようなものだ。形はかなりいびつで、曲がりくねっていて醜悪だった。大小の穴からは魔物の息吹すら感じる。表面には目がいくつもあって、まばたきをしている。そして、辺りは黒い雲がたちこめている。

「グ、グロテスク…」

 クララは吐き気を伴い、身をかがめた。

「美しかろう!黒雲はオブジェクトとして特別に作ったものじゃ!」

「これが、城?」

 タケルもその異形さに、絶望した。


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