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水晶の番人
あまりに広大な建築物の中を彼らはすすんだ。中は誰もいないように静寂だった。
「もっと魔物がたくさんいるのかと思っていたけど」
クララは安心したように言った。レオンはたしなめるように言った、
「人間には想像もできないくらい、大きな戦なんだ。前線はそれに夢中で、ここに力をそそぐ意味はない。ただ」
カレンは何かを知っているのか、さえぎった。
「ハイクラスの魔族がいる可能性がある、ということですね」
「そうだな、想像もつかないよ。俺は派遣だからね」
中心には青い大きな水晶が置いてあり、そこには赤い字で魔法陣が幾重にも施されている。その魔法陣は明滅しており、その都度広大な空間は色をかえた。
「これが、ヒナタのいるという水晶か?」
タケルはレオンに聞いた。レオンも首をかしげている。
「こんなにあっさりたどり着けるはずはないんだ」
にわかに部屋は暗くなり、大きな声が室内にこだました。
「まさか人間ふぜいがこの地に足を踏み入れようとはな!」
一同はその声にすら戦慄し、身動きができなかった。それほど恐ろしい存在であることは、タケルでもわかった。




