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転移中の二人
「転移」と一口にいっても、その移動距離に応じて、時間の誤差が生じる。次元を異なれば、なおさらだ。レオンの「魔王の魔力を流用」しての転移は、それを可能にしたが、時間はかかるようだ、転移中にカレンはレオンに聞いた。
「その『観測者』というのは、素性は間違いないのでしょうね?」
「うん。変り者だが、情報というものにおいて、彼女は中立だ。その『情報の正確さ』こそが、彼女にとっての生きがいであり、存在意義だからね」
レオンはカレンを眺めて言った。
「しかし、異例な組み合わせだな。よくも面識の薄い、よもや堕天使である私に、ついてきたものだ」
「好きでここにいるわけじゃありません!」
カレンは初めて感情を表に出して言った。
「あなたの表情や口調が、嘘に思えなかった。それと、可能性があるうちは諦めません」
「カレンは何故、タケルにそこまで肩入れする?」
「彼は私にとって『ご主人様』ですからね」
堕天使は肩をすくめた。これ以上の追及は、関係の悪化を意味するからだ。




