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残酷な月夜
タケルはレオンに電話した。
「レオン、家が無くなってるんだが…妹は無事だよな?そこにいるのか?」
携帯電話は沈痛な声で言った。
「すまん…手遅れだった」
タケルはもう、携帯を持つチカラすら無くして、それを落とした。頭が冷たくなってきて、心臓の鼓動が早く激しくなっていく。
カレンが抱きとめなければ、彼はその場で倒れていた。
タケルが目を覚ますころはもうすっかり日は沈み、月が出ていた。彼はカレンの膝枕で寝ていた。公園のベンチだ。触れると冷たいベンチが、悲痛な現実を告げていた。彼の目の中で、月は幾重にも見え、やがて滲んで消えた。涙はとめどなく溢れた。
「うそだよな?」
「…残念ですが、いまだ行方不明です」
カレンもまた、沈痛な面持ちのままだった。




