↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
10/15

第10話 アンアースド

 時を同じくして、まるで、長い年月、地下に眠っていたマグマが、


火山活動を始めたかのように、止まっていた時間が静かに動き出した。


角田晃一殺害事件の容疑者を追っていた捜査チームが、


とある騒動にたどり着いたのだった。


「開発事業だと!? 」


 担当刑事の川口が思わず声を上げた。


「実は、角田代議士は、山梨県出身でして‥‥ 。


先代の同じく代議士を務めていらした父親の跡を受け継ぎ、


選挙区内にある富士樹海地区青木ヶ原樹海エリアの開発を


公約に挙げているわけなんです」


 後輩刑事の佐倉耕作が言った。


佐倉が、地元で聞き込みを行った結果を以下の通り報告した。


角田晃一の父、顕氏は、開発事業の反対派の中心におり、


「富士樹海地区青木ヶ原樹海エリア」反対派の重鎮だった。


開発事業に名乗りを上げている不動産会社、建築業者などは、


「レジャー観光開発」


「キャンプトラベル(ウォーキングツアー)」


「レジャー施設の建設」を計画している。


一方、反対派団体は、


観光化により、マナーが悪い観光客が増化する可能性があり、


「富士山文化遺産」に登録されている地域の


景観・環境保護活動に支障がある。


開発エリア内の磁気異常が原因で、


時として、方位磁石が狂うとの問題点を指摘して、


「登山鉄道構想」や「メガソーラー開発」を実現化した場合、


電磁波障害が発生する原因につながる事を指摘。


学者や専門家が調査した結果、


電磁波な影響を受けることにより、交通システムに混乱をきたす。


富士樹海にある地磁気研究所内に設置されている


精密機器にノイズを与える可能性があり、


天然の磁場データの純度が


損なわれる恐れがあることが分かったとして、


地元の政治家を頼り、何としてでも阻止しようとしている。


「政治家が、地元の開発事業を後押しするなんて


よくある話ではないのか? もしかして、殺害した犯人が、


反対派の中にいると言うわけか? 」


 川口が思案顔で言った。


「先代の方が反対派の重鎮だったのに、


息子の方は東洲党の方針に従い、推進派にまわったわけなんです。


恐らく、長い間、共に戦って来た県民の間では、


裏切り行為だとみなされたのではないでしょうか?


 それにより、山梨県内の衆議院議員が主催した


いわゆる資金パーティーで巨額の金が、東洲党に流れたそうです」


 佐倉が神妙な面持ちで言った。


「選挙資金の流れを変えたとなると、公安も黙っちゃいられねぇはずだ! 


それで、犯人の目星がつきそうなのか? 」


 川口が前のめりの姿勢で聞いた。


「さっそく、公安からお声がかかりました。


公安の捜査線上に浮上していたある男がいまして‥‥ 」


 佐倉がそう告げた後、ノートPCの画面を見せた。


画面に映し出されたのは、山梨県内で開催された


ライフル射撃の大会で撮影された写真だった。


「大会の運営者のタレコミで判明したのですが、


ここに映っている上位受賞者のひとり、


福原一紀42歳がどうも、角田代議士が死亡した2日前から、


Sホテルに宿泊していたらしいんです。


昨日。都内で開催された地磁気学の


論文発表会の受賞結果を確かめる為に現地入りしたそうです」


 佐倉がそう説明した後、福原の姿を拡大して見せた。


「ああ、こいつは、カラスの羽に映し出された小太りの男?! 」


 川口が思わず目を見開くと告げた。


「目撃者の証言と一致します。


福原は現在、山梨県で里山事業を手掛ける会社を経営しています。


今年の優勝者が、犬山左京という個人の研究者なんです。


犬山左京は、角田代議士の秘書を務めています」


「犬山左京の素性を調べるとするか」


「そう来ると思って、すでに、調べてあります」


 その後、安井涼の弁護士が、安井の兄、吉武の捜索をお願いしていた


故郷の新潟県警から連絡を受けて、警視庁捜査1課に姿を現した。




 






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。