第4話:穴の底のヘブンズ・コーラス
穴の底の大聖堂
地下10mの穴の底。そこは涙の地獄……のはずだった。
淡く光る緑色の玉ねぎが、数百体の精霊となって整列している。
その中央で、ひときわ背の高い“コンダクター玉ねぎ”が小さな指揮棒を振った。
『♪オニオ~ン……涙を~拭いて~……炒めれば~甘く~……煮込めば~溶ける~……♪』
透明なソプラノが重なり、穴の底は黄金色の大聖堂と化した。
新人は穴の縁から震えながら言う。
「な、なんで……玉ねぎが……合唱を……」
「美しいのです」
咲姫はシャッターを切り続ける。
穴の縁で、ルネが玉ねぎドレスを抱えて震えていた。
「ひぃ……な、なんですかこの光景……涙が……止まらないのですぅ……」
「ルネさん、落ちないでくださいね」
新人が必死に支える。
咲姫はルネの反応に満足げだ。
「ルネさん、見てください。これが……玉ねぎコーラスなのです!」
ルネは涙でぐしゃぐしゃになりながら叫ぶ。
「す、すごいのですぅ……!地獄の底が……天国なのですぅ……!」
咲姫のテンションが跳ね上がる。
「そうなのです!!この映像、全銀河の音楽チャートを独占できるのです!!」
うさちぁん、商売を始める
穴の縁からうさちぁんが顔を出す。
「はいはい~、“玉ねぎコーラス公式CD”予約開始だよ~!初回限定で“涙の味”つけるよ~!」
「味つけるなニャ!!」
コーラスのクライマックス
コンダクター玉ねぎが大きく腕を振る。
『♪オニオ~~~ン……♪』
精霊たちの声が重なり、穴の底が震えるほどの響きが広がった。
新人は震えながら呟く。
「……これ……本当に……玉ねぎなんですか……?」
僕は涙を拭きながら答える。
「玉ねぎニャ……でも……美しいニャ……」
咲姫は目を閉じ、静かに言った。
「これが……玉ねぎコーラスなのです




