第11話:学園、歌に包まれるのです
玉ねぎの「ぽぉぉぉぉん……」という響きが、校庭の空気を震わせていた。
鎮圧部隊の教師たちは、耳を押さえ、膝をつき、涙を流しながら震えている。
「……音が……心に……直接……!」
「涙が……止まらない……!」
生徒たちも同じだった。
「なんで……玉ねぎなのに……」
「こんなに……綺麗……」
「胸が……あったかい……」
ぽぷらんが叫ぶ。
「ほら見ろ!!咲姫の可愛いは世界一なんだよ!!」
新人は涙を拭きながら叫ぶ。
「し、しみるぅぅぅ!!でも……なんか……救われるぅぅぅ!!」
ルネは玉ねぎドレスを抱きしめて震える。
「ひぃぃ……でも……綺麗なのですぅ……!」
うさちぁんは屋台の上で踊る。
「はいはい~、“涙の浄化まんじゅう”第四弾~!」
「踊るなニャ!!」
生徒会長、崩壊する
生徒会長は、玉ねぎの歌に耐えながら、震える声で言った。
「……やめ……なさい……咲姫さん……!」
咲姫は静かに言った。
「可愛いは……止まらないのです」
玉ねぎが、さらに強く震えた。
『♪オニオ~~~~ン……涙を~拭いて~……炒めれば~甘く~……♪』
生徒会長の膝が崩れた。
生徒たちが叫ぶ。
「会長!!」
「大丈夫ですか!?」
「涙が……止まらない……!」
生徒会長は、震える声で言った。
「……どうして……こんな……音で……心が……揺れるのです……?」
咲姫は微笑んだ。
「それが……可愛いなのです」
少女の瞳が揺れた。
学園の“冷たさ”が溶けていく
玉ねぎの歌が続く。
『♪煮込めば~溶ける~……心も~溶ける~……♪』
生徒たちの表情が、次々と変わっていく。
「なんか……あったかい……」
「涙が……止まらない……」
「これ……嫌じゃない……」
「むしろ……好き……」
新人が呟く。
「……これ……学園の“冷たさ”が……溶けていってる……?」
ぽぷらんが笑う。
「だろ!?咲姫の可愛いは……世界を変えるんだよ!!」
ルネは涙を拭きながら言う。
「咲姫さん……わたし……咲姫さんの可愛い……大好きなのですぅ……!」
咲姫は照れたように微笑んだ。
「ありがとうなのです」
生徒会長、心を開く
生徒会長は、涙を流しながら咲姫を見つめた。
「……咲姫さん……あなたの“可愛い”は……確かに……迷惑でした……」
ぽぷらん「おい!!」
少女は続けた。
「でも……迷惑でも……心に……届いてしまうのです……」
咲姫は静かに言った。
「届いたのですか?」
少女は、涙を拭いながら頷いた。
「……はい……届いてしまいました……悔しいですが……とても……綺麗でした……」
咲姫は玉ねぎを抱きしめた。
「それでいいのです。可愛いは……届くのです」
玉ねぎが優しく震えた。
「ぽぉん……」
こうして――学園の心は、完全に揺れ始めた。崩壊と再生が同時に進んでいった。




