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今から2千年程前、大国中国を史上初めて統一した秦の皇帝が死去した。

彼の有名な始皇帝だ。

そして紀元前209年、彼の皇帝の後を継いだのが始皇帝の末子である胡亥こがいだった。

当時胡亥はまだ若く21歳、もしくは12歳の少年であったとされる。


何故、胡亥が皇帝の座につけたのか?


それは趙高ちょうこうという一人の宦官による謀略の為だった。

始皇帝に気に入られていた趙高は彼の人の寵愛を受けていた胡亥こがいの世話係となり、そうして始皇帝の死後、偽りの勅命にて胡亥こがいを皇帝として立て、自分のはかりごとの邪魔になる人間を次々と処刑していった。


世話役であった趙高に対する胡亥の信頼は厚く、

趙高の進言は土に染み込む水の如く、胡亥を利己的で暴虐な人間へと仕立て上げた。

耳障りの良いことを言う者を引き立て、自身を諌めようとする臣下を処刑していった。

阿房宮という巨大な宮廷工事の再開、

苛烈さを増す法令や処罰、

悪政で既に苦しめられている臣民は更に上納や公役を強いられた。

二十数人いた始皇帝の子息の多くも処刑され、それ以上に多くの民衆が刑罰に処された。

処刑された者の亡骸が市場に積み上げられていく。

独裁が、恐怖政治とが臣民を縛り上げ、更に趙高は胡亥こがいを傀儡へと仕立て上げる。

他の大臣は趙高を介してしか皇帝に対面する事が出来なくなり、趙高は言葉巧みに周囲を欺き、ついにはまつりごとの全ての決裁をする権力を得た。


やがて趙高は謀反を企み、胡亥こがい弑逆しいぎゃくせんとした。

しかしそれには他の群臣たちが自分に従うかを知る必要がある。

皆が集まる場で、趙高は胡亥に「馬です」と言って鹿を献上した。

胡亥こがいは師でもある趙高の言葉に「鹿を馬と言い間違えるとは」と笑ってみせた。

趙高は左右の群臣に問う。「これが何に見えるか?」

ある者は沈黙した。

またある者は見た通りに「鹿です」と言った。

趙高におもねった者は「馬です」と言った。

「鹿」と答えた者たちは密かに処罰され、後に趙高の謀略によって皇帝胡亥こがいは自死させられたのだった。同年にはこの趙高も彼を憎む者達の手によって殺害されるのだがね。

さて、「鹿」をさして「馬」と言う。

これが指鹿為馬しろくいばという故事成語の由来なのだよ。


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