第73話佐島佐助
日本能力者育成機関本部決定戦の第一回戦目も終盤に差し掛かり、残り人数も僅かとなって居た。
現在の順位は一位が東京本部代表の氷川氷、二位が北海道支部の小鳥遊小百合、三位が沖縄支部の佐島佐助となっていた。
「どれもつまらない」
現在第三位の佐島佐助は向かってくる参加者の弱さを嘆きながらも、葵の言っていた様な相手と出会えない事に失望していた。
そんな佐助の前に水色の髪の少年が現れる。
「……君を倒せれば、僕が第三位になれそうだ」
佐助の目の前に現れたのは東京本部の代表の二人目である佐倉紫音、元は氷川家の人間であり、現在第一位の氷川氷の双子の兄である。
「佐倉紫音か」
「……僕を知っているの?」
「[レジスタンス]に所属している奴は全員知っている。葵さんが所属する事になった組織がどんなものか知る為にな」
「それで知ったって事だね」
「失望した。葵さんが所属するような組織では無い。総帥が東京本部高等部の一年のガキとは、笑わせてくれる」
「君が廉の何を知っている。年齢や見た目、聞いただけの情報なんかで決めつけないで貰おう」
「……[レベレスタ]の前はチーム[アブノーマル]のリーダーだったな。そして、お前はそこの副リーダー……お前の実力によって、理解出来る」
「……何を?」
「木山廉の実力!副リーダーのお前よりも強いのだろ?」
「そうだね」
「大した自信だ」
佐助は全身から大量の黒いオーラを放出させ、紫音へと放つ。黒いオーラを見て、紫音は能力や異能の覚醒と思い動かずに居た紫音に黒いオーラが接触する。
「……はぁはぁ」
「狂乱の宴を正面から受け、自我を保つとは……その精神力だけは誉めてやろう」
「……なるほど、覚醒ではなく、精神攻撃だったのか」
「理解して、抗えはしない。肉体は鍛えられても、肉体の疲労は回復しようとも、精神は違う!どれだけ意識しても逃れられない」
佐助は再び大量の黒いオーラを放出させる。
紫音はそれを防ぐため、氷神の花畑を発動させ、隙間無く、氷で造られた大木を並べ、壁を一瞬で築く。
「無駄だ。狂乱の宴から逃れられない」
佐助のその言葉通り、黒いオーラは紫音が造り出した大木をすり抜け、壁としての役割を果たす事もなく、黒いオーラは紫音に直撃する。
「……二度もまともに受け、気が狂わないとは……認めてやるよ。お前は強い……今の所は、精神面のみだが」
「はぁはぁ、それは、有り難いね。では、こっちから次は行くよ!」
紫音は右手を突き出し、氷神の花畑を発動させると、氷で造られた蕀を佐助へと放つ。




