第72話流島葵
葵の登場は丈助として望んだものではなかった。
葵を流島家から追放したのは、丈助本人であり、そんな葵に救われた事も丈助にとっては計算外な事と言える。
「佐島家の子供位は生かせ」
葵のその言葉に丈助は即座に反論する。
「何も分かってないな」
「何がだ?」
「……残された子供達はいずれ、復讐をー」
「下らねぇ。お前はそんなものに恐れるのか?」
「一人を恐れるお前と一緒にするな」
「……沖縄支部の鬼神の一族の当主がこれで良いのか?」
「……良いだろう。お前の意見を聞いてやる。最初で最後のな」
「それで構わない」
葵の提案によって、反逆者達の佐島家の人間は表向き、皆殺しにする事を流島家の当主である丈助が流島家の者に説明したが、裏で大人達は地下施設のエネルギー開発所に連れていかれ、生命エネルギーや能力、異能のエネルギーを吸引させ、殺す事はなく、子供達は全員葵が引き取り、今回の事件は終了となった。
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日本能力者育成機関本部決定戦前。
「お話とは?」
葵に呼び出されていた佐助は公園のベンチに座る葵に語りかける。
「来たか。そろそろ沖縄支部の連中にお披露目だ」
「……俺が生きていると知ったら、流島家の者は黙っていないでしょうねないでしょうね」
「だろうな。だが、いずれバレる事だ。良く十年間もバレなかったものだ」
「……海外に居たからでしょうか?」
「あぁ、お前もアメリカ軍で中々の活躍だと聞いたぞ」
「俺は……」
「アメリカ軍で活躍もお前としては、納得がいかないか?」
「俺は俺では無い。俺は俺を知りたい」
「……自分を知るには、お前一人では無理だな」
「どうしたら?」
「お前が何者でも、お前が苦しみ、困難状況でも手を差し伸べるそんな理解者が必要だ。人間が自身の事を知るには、限られたものだ。他人との接触で、その者の本質が見えてくる」
「どうゆう事でしょ?」
「噛み砕いて説明すると、お前には理解者が必要だ。お前の能力からして、お前はアメリカ軍で単独で動いて居たんだろ?一人で十年間も居たなら、他人との接触など不要と考えるだろうが、それでも他人とは関わるべきだ。この世はお前一人では無いのだからな」
「分かりました。では、この大会の終了後にでも」
「この大会で良いだろう。強者は居るぞ。お前に釣り合うのか、分からんがな」
「……貴方はどうしたいのですか?」
「俺はもう[レジスタンス]として動く以上お前達の面倒はもう見れないからな。一人一人、己の居場所を見つけて欲しいのさ」




