第69話 重層の騎士
父の丈助の呼び掛けも虚しく、丈太郎は重層の騎士へと殴りかかる。
「……愚かな者よ」
重層の騎士に殴りかかった丈太郎の拳が重層の騎士に触れる前に魔法陣が無数に出現し、丈太郎を吹き飛ばす様に動き、丈太郎を吹き飛ばす。
「弱き者よ。己の弱さを噛み締めながら、この世を去るが良い」
重層の騎士は魔力が放出し続けるその剣を丈太郎へと向ける。
「……誰を前に我が息子に刃を向ける?」
丈助は一瞬で十メートルを超える鬼へと変貌していた。
「……鬼神の家系である流島家である以上、この展開は読めていた」
「では、これも読めていたか?」
自身の影を消費して、影に造られた鬼を十体出現させる。
出現した影で造られた十体の鬼達は重層の騎士へと接近するも、重層の騎士の周りには丈太郎が攻撃した時に出現した魔法陣があり、影で造られた鬼達は重層の騎士へ近づく事も出来ていなかった。
「……か弱き者よ。我へと攻撃が届く事は無い」
「か弱いか。お前の体で確かめろ」
十メートルを超える巨体となった黒き鬼となった丈助はその拳を重層の騎士へと目掛け、振るう。
「詮無き事」
丈助のその攻撃に対応して、巨大な魔法陣を無数に出現させ、その拳を簡単に防ぐ。
「か弱い者よ。己の惰弱さを悔いながらその生涯を終えるが良い」
重層の騎士は周りに展開している魔法陣を操作し、丈助の周りを囲む。魔法陣がある為、満足に動けない丈助に重層の騎士は右手を突き出し、魔法使いを連続で出現させ、丈助の元に放っていた。
避ける事も出来ない丈助は飛んでくる魔法陣に全て当たり続けていた。
「汝が更に弱くなる事を感じているか?」
「……理解している。俺のエネルギーを吸収しているな」
「その通りだ」
「アメリカ軍の重層の騎士、如何なる攻撃を魔法陣で全て防ぎ、魔法陣に触れたもののエネルギーを吸収して、いくと言う噂通りだな」
「それを理解して所で、汝の勝利は来ることは未来永劫に無いと知れ!」
重層の騎士は背中に装備していた大剣を手にすると、それを丈助に目掛け、振るう。
「……くっ」
振るわれた剣を両腕で防御した丈助は一瞬で理解した。次元の違いを、防御した両腕から一瞬にして、エネルギーを吸収され、自身の弱体化と、重層の重層の強化を悟った丈助は咄嗟に逃亡を選択し、息子である丈太郎を抱き抱え、その場から離脱する。
「……追わないのか?重層」
「重魔お前には関係の無い事だ。所で今まで何をしていた?」
「重層、お前の戦闘を見ていた」




