第66話 狂乱の宴(クレイジー・フェスティバル)
「これは凄い」
ジェネシスは佐助が放った黒いオーラに当てられた者達が暴れ、自傷行為をおこなっている現場を目にする。
「……これが精神系統の中でも、異質と言われる狂乱の宴。精神を錯乱し、狂わせ、まともな状態を保てない。これは、一人で一つの組織を壊滅も簡単に出来るね」
「……」
「浮かない顔だね」
「望んで無い。こんな能力」
「……望むものを手にして、産まれる者は居ない。成長と共に様々なものを得ていく。才能や血には抗えない。君は佐島家の人間で、佐島佐助。能力は狂乱の宴これは変えようの無い現実だよ」
「何も望んでいない」
「努力と結果は比例しない。君が足掻いても対して、変わらないだろう。君では、君一人ではね。佐島家では無理なら、外に出ると良い。外は広いよ。佐島家が全てではない」
ジェネシスの声を引き裂く様に獣の雄叫びが響き渡る。
「リーダーは影響を受けなかった様だ」
ジェネシスと佐助の目の前に巨体な男が現れる。
「殺す!」
「無理だ」
ジェネシスは巨体な男の左腕の空間を開く。
すると、巨体な男の左腕は別空間へと入り込む。直ぐ様、ジェネシスは別空間と通じる空間を閉ざす。
「あぁぁぁぁあああ!」
別空間が閉じた事で別空間にあった左腕は切断されていた。
「無理だよ」
「これが何か分かるか?」
巨体な男は圧縮された魔力の塊を見せつける。
「……で、それが何?」
「喰らえば分かる!」
巨体な男は手にしていた魔力の塊をジェネシスへと投げつける。
「無駄だ!」
ジェネシスは空間を開き、投げ込まれた魔力の塊を別空間へと入り込むと、開かれた空間を元に戻す。
「あらゆる扉の解放者のジェネシス・ワーデル」
「その通り」
ジェネシスは巨体な男の体の開き、そこに手を伸ばすと、心臓を掴む。
「待ってくれ」
「……あらゆる扉の解放者は視認した箇所を開き、閉ざす事が出来る異能。ここの空間を開き、宇宙との空間を繋げる事も可能。何よりもどんな攻撃に対しても、空間を開き、別空間に逃がせる事の出来る。そして、アメリカ軍と俺が所有している空間の中には、ブラックホールやビッグバンが閉じ込められた空間もある。ここでその空間と繋げても良かったんだが」
「……お前ならそれぐらい出来るだろうな。だからこそだ。何故、簡単に殺せる相手に対して、皆を苦しめさせる方法を取った?」
「俺の一存では無い。上の命令だ」
「あんたが歯向かえない上……もう、好きにしてくれ」
「では、このまま握り潰そう」
ジェネシスは握っていた心臓を握り潰す。




