第62話助けを
省吾に言われるがまま、環を抱き移動する翔は辺りを見渡していた。
「あんた。二人がどこに居るか分かっているの?」
「……えっと」
「……まぁ、私も知らないけど」
「心当たりはありますか?」
「全く、でも雲や太陽の変化を見て、異変には気がついていると思うけど」
「ならば、周辺を探しましょう」
二人が光、一十三の二人を探そうとしたその時、光が一瞬で移動し、環と翔の目の前に現れる。
「……何かあったの?」
「それがー」
環はこれまでに起きた全てを光に伝える。
「……では、今は小鳥遊省吾だけが生き残っているのね?」
「多分」
「分かったわ。四人で向かいましょう」
四人は川上家の屋敷へと向かう。
「師匠!」
到着そうそう翔は省吾の亡骸を抱き抱える。
「……華」
光は幼い時から共に訓練を積んできた華の遺体を眺め、悔しそうな表情をすると、直ぐ様切り替える。
目の前には全ての原因となった時雨が居るのだから。
「光、貴女は時間制限がある。むやみに使う出来では無いわ」
神器を体内から出現させようとしていた光を止め、一十三は腰に携えていた王者覇剣を鞘から抜く。
「私が行くわ」
一十三は王者覇剣を時雨に向ける。
「九十九一十三。貴女と戦っても勝機は無いでしょう。もう目的は済みましたから、ここは退散させて貰います!」
時雨の周りの空間は歪み、今にも逃げ出すのが明らかな状態と言える。
「このまま逃がすと思うの?」
一十三は王者覇剣を構えると離れた距離から一瞬で振るう。
「失楽因果!」
一十三が放った剣撃は時雨に当たる前に時雨はその場から姿を消した。
「逃げられた」
ありのままの事実を告げる翔とは違い、光は別の意見だった。
「……逃れたけど、逃げた先で剣撃をもろに喰らったわね」
「どうゆう事?」
環の疑問に光は笑みを溢す。
「説明するには時間がかかるわ」
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東京本部チーム[ゼロ]の拠点としている見えず、触れる事も出来ないそのビルの中に居た。
「はぁはぁ。何故?逃げ切った後に斬撃を喰らった?」
「時雨……ここまで追い詰められるとは」
時雨に瓜二つのその人物はチーム[プラス]副リーダー新倉霧雨である。
「……九十九一十三。侮ったつもりはありませんが、ここまでとは」
「……九十九一十三。奈良支部で最も警戒しなければならない相手とチーム[ゼロ]では伝達がありましたが?」
「だから、直ぐに撤退した」
「……それで任務はどうでした?」
「成功しました」
「ならば、良いではありませんか」




