第60話強欲なる魔王(グリード・デビル)
「そうだと思うよ。それよりも欲しいの」
「……あんたが欲する物は用意出来そうに無いね」
「……勝手に貰っていく。お前達の命を」
その殺気のみで環、翔、省吾、克明以外チーム[コレクション]のメンバー達は倒れ込んでしまう。
「……知っている?悪魔属性の能力、異能の進化は人を殺した時に進化を果たす」
時雨は出現させた剣を握る。
「……これは初めて人を殺した時に覚醒して得た|強欲なる者が欲するままに《グリード・ワント》。一度、強欲なる魔王で奪った物を出現させる事が出来る異能」
「見せつけるだけに覚醒を?」
「……剣をただの見せしめ」
時雨は手にしていた剣を省吾に向かい投げつける。
省吾は魔法陣を出現させ、防衛に成功した。
その直後、チーム[コレクション]のメンバー達の頭上に大量の瓦礫を出現させる。
「さぁどうする?」
「舐めるなよ」
省吾は全身から大量に魔力を放出させると、一瞬にして、魔神化により背から黒い羽を八枚生やし、瓦礫へと向かって飛行する。
「魔神化。二種類ある魔法の進化黒魔術の更なる進化黒呪術を極めた者が獲得出来る魔神化を中学生が使うか。それも翼を八枚……完全なる魔神化の場合は十枚だが……先に潰すのは小鳥遊省吾だな」
省吾は右手から黒い魔力を放出させ、瓦礫の全てに接触させる。
瓦礫は落下が停止する。
「俺の魔法は黒魔術:重力魔法で黒呪術:重加魔法だ」
省吾は瓦礫を操作して、瓦礫を時雨の頭上に移動させる。
「これが重力魔法だ。お前のと違ってただの落下ではない。重加魔法によって、重力はかなり重いと思うぞ!お前は対象のものを引き寄せるだけ、避けきれんぞ」
省吾は重量が増えた瓦礫を時雨へ向け、落下させる。
「君の推察通りだ。だからこそ、引き寄せよう」
時雨はチーム[コレクション]のメンバー達を引き寄せる。
「……このままでは、皆、死ぬな?」
時雨は不適な笑みで宙に浮く省吾へと語りかける。
このままでは、味方まで巻き込む事になると察した省吾は咄嗟に落下する瓦礫を止める。
「残念」
時雨は強欲なる魔王を発動し、チーム[コレクション]のメンバー達の心臓を欲した。
その直後、チーム[コレクション]のメンバー達体から心臓が飛び出る。
「……瓦礫を落とさなくても、死んでしまったよ」
「……」
「瓦礫、落としたら?」
「皆が潰されるだろうが」
「もう死んでいるよ。それを守った所でどうなる?」
「それはお前の考えだ。俺の考えは違う!仲間を守る……これはリーダーとして当たり前の事だ」




