第56話御三家
チーム[シュプリーム]の三人が上川家にやって来ると、そこで待っていたのは上川家の者ではなく、川上家の者だった。
「華」
光のその言葉にその少女は笑顔で駆けつける。
「お姉ちゃん」
「……止めて、実の姉妹でも無いのに」
「そんな」
「で、何の用件?」
「御三家の人が来てるって伝えに」
「御三家……どの家系?」
「私、この事良く知らないの。教えてよ」
華は光に抱きつきながら、与えるって様に答えを待つ。
光はため息をつくと、答える。
「御三家は日本で最も優れた家系で神奈川支部の黒白院家、福岡支部の神宮寺家、北海道支部の小鳥遊家の事を言うのよ」
「じゃあ、小鳥遊様って呼ばれていたから北海道支部から来たのかな」
「小鳥遊家……小鳥遊小百合が防衛局の白魔術団に入ってから、男連中が不穏な動きを見せているとは聞いていたけど」
「何故、その人が居なくなったら男連中が動く事になるんですか?」
「……小鳥遊小百合が抑止力になっていたからよ。彼女が居なくなった事で動ける者も居るのよ」
「誰ですか?」
「華貴女何も知らないのね。まぁ良いわ。小鳥遊省吾……余りにも危険な人物で小鳥遊小百合に屋敷から出る事を禁じられた小鳥遊小百合の弟よ」
「外に出たらどうなるんですか?」
「魔法が盛んな北海道支部のトップに君臨する小鳥遊の魔法は特殊なのよ」
光のそんな話の最中、上川家の屋敷から大量な下着が川上家へと独りでに移動を始める。
「……何これ?」
「……下着がとんでもない勢いで移動しているとしか」
戸惑う二人とは違い少し離れた場所にいる一十三と環はただ眺めていた。
「これがポルターガイスト!……でしょ?一十三」
「剣から下着に変更ね。思考がかなり残念な様だけど」
下着が移動を終えた後、川上家から男達の歓喜の声が隣の上川家まで聞こえていた。
「……川上家へ行くわ」
光はその言葉のみを告げると真っ直ぐ川上家へと向かっていく。
「これがポルターガイスト事件と関係あると思う?」
「……どうかしら?でも似た力を持つ者が川上家に居る事は確定ね」
「それじゃ光に続きますか」
先頭の光に環、一十三、華が続き、川上家の客室へとたどり着いた。
「見ろ!これが、これこそ女のパンツだ」
何の恥じらいも無く、パンツをかぶり、手に持つパンツ、ブラジャーを宙へと投げつける男に床に落ちる下着、男が投げた下着を手にした男達は餌を得た猿の様に私達で騒ぎ、下着を取り合っていた。
「……面白い事をしているわね」
歓喜の満ちていた男達は光の凄まじいオーラに当てられ、萎縮する中、唯一頭にパンツをかぶる男だけが正気を保っていた。




