第54話命削りの聖剣(プライム・セイバー)
光は体内から出現した青白く光る剣を手にする。
その剣は光の体内から繋がれた青白い光の鎖に繋がれていた。
「鉄壁要塞の能力を私は知っているけど、貴女は私の異能を知らないでしょ」
「見たままの神器を出現させる物でしょ?そして、貴女は異能クラスに居るから、異能の神器出現させるって所」
「正解!私の異能は命削りの聖剣。名百剣の一種で命剣と呼ばれる剣よ」
話を続ける光に一十三は怒鳴り出す。
「いつまでふざけているの!早くしなさい!」
「……分かったわ」
光はしぶしぶ動き出す。
一瞬で姿を消した光を探そうとその時、環の意識は奪われ、次に目を覚ました時は奈良支部の中等部の二年能力クラスだった。
「目が覚めた様ね」
「……」
「一応、説明してあげる。光の命削りの聖剣は出現させている間、光の身体能力はあらゆるリミッターが外れ、あらゆる力を増す。ただしデメリットがあるわ。一日五分……それ以上使うと、一秒毎に寿命が減っていくの」
「私は負けたの?」
「峰打ちでね。命削りの聖剣は触れた対象の魂を削り取る。だからと言って、寿命は奪われないわ。簡潔に言うと、精神的にダメージを与えるって所ね」
「……」
「約束覚えてるかしら?」
「……覚えてる」
「放課後、一緒に光の所に行くわよ」
「……うん」
自身の敗北の理由が光の神器にあると知った環はただ戸惑っていた。敗北は今まで一十三のみ、それ以上には負けないと思っていた環にとってこの敗北は一十三に負けた時よりも、更なる屈辱だった。
目にも止まらず、いつの間にか負けていた。そしてそんな光と同等の力を一十三が持っていると言う事はいつもの戦いは手抜きだった事を痛感していた。
授業にも身が入らず、放課後を迎えた環の元に一十三がやって来る。
「……放課後よ。まるで脱け殻の様だったね」
「見てたの?私の事?」
「……貴女しか見えないのよ。授業も私だけがこのスマホでやってるからね」
「……私しか見えないの?」
「ええ、王者覇剣が認めた強者しか私は認識出来ないの」
「……そう。それで……貴女は無意識なのね」
「……何の事?」
「貴女は見えていないと思うけど、貴女の歩く先に居る人間が貴女に接触しようとした瞬間、その人間は吹き飛んでいるのよ」
「……そうらしいわね」
「らしいって自覚は無いのね」
「ええ、光に指摘されて知ったのよ。知っても対応は出来ないけど……今までそれを改善する様にって貴女は私に挑んで来たわね」
「……貴女の事情は知った。もう戦いは挑まない。簡単な話よ。私がこれからは一緒に居るわ。上川光が居ない間は他人に迷惑はかけさせないわ」




