第51話鉄環(くろがねたまき)
本部決定戦第一回戦目も半数以上が脱落し、残っている参加者は皆ポイントを敵を倒し、ポイントを獲得していた。
そんな中唯一、ポイントの変動が無い女が一人居た。
それが鉄環きである。
銀髪のその少女の能力は鉄壁要塞は要塞を出す能力ではなく、自身と自身が触れた物の強度を上げる能力である。
そんな能力を持つ彼女の実力は世界に通用するとまで言われる実力を持つ。しかし、彼女の運の悪さによって、今の今まで誰とも遭遇する事が無かった。
「何で?誰も居ないの!」
環は耐えきれず、叫んでいた。自身の運の無さを自覚している環は自身が声を発する事でそれに気づいた人間と出会おうと試みる。
しかし、環が声を発しても声が誰かに声が届く事は無かった。
「このままでは奈良支部の面汚しよ。一十三と光が第二戦目に出るとなると、確実に上位に入る。……このままじゃ……私が誰も倒さずに私の無能だと、罵られる。特に光が一緒このネタで弄ってくる。誰でも良い倒さないと」
焦りに焦る環は走り続け、いつも通りの運の悪さは消え、人との遭遇する事が出来た。
「おっ!居た居た」
「……鉄環?」
環を目にしたその男は何の迷いもなく逃走する。
しかし、その男が走っても環が軽く走った軽度で追い付かれてしまう。
「ちょっと、待ってよ」
環がその男の肩に手を置くと、男の体は突然止まる。
「私が触れたら、誰も動けない。殺しが目的ではないから、血を凝固させ、止める様な事はしていないわ。筋肉が固め、動けない様にしているだけだから。安心して」
笑顔で微笑むと環は右拳を握り、鉄壁要塞によって、強化されたその拳を男の顔面へと殴り付けると、一撃で勝利を勝ち取った。
「……人に会えれば、何の問題も無い。この調子でどんどん倒すわ」
しかし、そこからは誰かと会う事は無かった。
「何で?いつも私はこうなる」
「そうでも無いわ。私と会えたのだから」
「……北海道支部の防衛局の二人居る局長の内の一人だよね。名前は……忘れたけど」
「小鳥遊小百合よ」
「そっか。私が覚える女の名前は九十九一十三と上川光とお母さんだけだから、貴女が四人目になれるかしら?」
「私が貴女を倒す事で覚えると言うなら、貴女は覚える事になるわ」
「……それは、もしかして私に勝つと言っているの?」
「もしかしなくても、そう言っているわ。貴女がどう足掻こうが、私の勝利は約束されている」
「何を根拠に?」
「未来を見通す私からしたら、この会話もそのままよ。貴女は逃れる事が出来ない。決してね」




