第50話生命移行(エネルギー・ジャンプ)
大助は神器を消し、体内へと戻した死神の鎌を左手に出現させると、それを小春へと向ける。
勢い良く殴りつけようとしていた小春はそれに気がつき全身から風を放ち、大助との距離と取る。
「諦めたらどうだ?」
息子のその呼び掛けにも応じない大助に異変が起きる。
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本部決定戦で行われている大助と赤坂翔太のその戦いは一方的なものとなっていた。
「神奈川支部の暗殺部隊の部隊長の実力がこの程度とは、驚きだよ」
赤坂は数枚の写真を優雅にウチワの様に煽り、無傷のまま倒れ込む、大助を見つめていた。
赤坂の能力は生命移行であり、目にした人物の力を持つ生命体を出現させる事が出来る能力であり、現在は大助の生命体は息子である大悟の元へ、そして、数枚の写真に写った人物の生命体に大助の相手をやらせ、自身は高みの見物を続けていた。
「このままでは勝てませんよ。知ってますよ死神の鎌は能力向上ではなく、覚醒する事は……覚醒し、異能となる死神の大鎌を使われては?」
赤坂のその提案に受け入れるわけもなく、倒れ込む、大助の右手が切断される。
「……息子か、それ以外なのか、向こうに送った生命体の右手が切断された様ですね」
「……」
「声を出さずですか?素晴らしいですね」
「黙れ」
「黙っても良いですが……名残惜しので、今の内に話しておこうかと……だって、このまま行けば貴方は死にますよ。貴方がここで頑張っても、向こうに送った生命体が殺られるのは時間の問題!」
「……お前は勘違いしている」
「はい?」
大助は左手に持つ死神の鎌を自身の体に突き刺す。
「……自決ですか。思ったよりつまらない最後でしたね」
「はぁはぁ」
大助は死神の鎌にポケットから取り出した札を貼る。
「神器は適合者が死ねば自然に消滅し、産まれてくる赤子の体に宿る。それを避ける為、封じましたか。そんなちんけな札では数時間も持ちませんよ」
「戦闘が出来なくなった事で、俺の遺体とこの死神の鎌は回収される」
「……死神の鎌も次の者に託すと?」
「もう託されている。あいつの体に宿っている。だが、もう1つ鎌があっても良いだろう」
「もう1つ?……大和大悟ですか。確か、時法の刃の能力者でしたね。あの神器は素晴らしい」
「……」
「もっと、話がしたかった。貴方とは」
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「諦めたらどうだ?」
息子のその呼び掛けにも応じない大助の体は薄くなっていき、その存在は消え去った。
「……消えた?」




