第48話突風竜巻(ガスト・トルネード)
小春は半透明な大助の前に立つ。
「これ以上誰かの寿命を奪うなら、私からにしなさい」
「能力を使うつもりですか?」
「そうよ。私と組まされた意味は分かっているでしょ」
「はい」
大悟は自身の能力を発動させ、体内に宿る神器を取り出す。
あらゆる所に時計が埋め込まれた鎌を手にした大悟はその鎌を振るい、周囲に時計を配置させる。
「父親なら、知っているでしょ?世界でも五人しか居ない時間操作系の能力で、日本で唯一時間を操作出来る者を……貴方の息子よ」
「……」
「会話するつもりは無しって事ね」
小春はその場で構え、右腕に風を纏わせる。
「手加減無し、初っぱなから飛ばす」
小春は右腕に纏わせた風を突き出す事によって、小春の右腕に纏われていた風は激しい竜巻を発生させ、大助の元へと放たれる。
小春の能力突風竜巻は自身の体、小春が触れた箇所から竜巻を発生させる事が出来る能力であり、その竜巻を日本で起こせば、確実にシェルター以外の全てを吹き飛ばす威力を誇る。
だからこそ、大悟に周囲の時を止められる様にして貰った上で攻撃する必要がある。小春は未だに防衛局で昇進出来ないのは、周りに被害を起こしながら、敵を倒す方法でやって来た事が原因である。
小春が放った竜巻は大助に直撃すると、大悟が配置していた時計に接触して、時を止められた事によって、停止し、被害が出る事は無かった。
「……透過能力がある以上、私の突風竜巻は何の役にもたたなそうね。なら、これで行きましょう」
小春は左手に持っていた魔法の鎖を投げ、宙に浮かせる。
「凄い。このまま操作が出来れば縛り付けるもの簡単に済む」
「黙って、集中力が途切れる」
小春は顔を歪ませながら、魔法の鎖を操作していた。
(……突風竜巻は勢い良く風を放出させる能力、微量な風の操作は困難みたいだ。これは無防備になるな。僕が守る必要がありそうだ)
大悟が現在の状況から自身がどうするか考えている頃、小春の背後から死神の鎌の鎌が地面をすり抜け、小春の背中を目掛け、向かっていた。
大悟は直ぐに大助を確認する。大助は死神の鎌を地面に突き刺していたが、小春との距離はかなり離れており、大悟は死神の鎌の何らのか能力によるものと断定し、行動を開始させる。
しかし、今更大悟が動いた所で小春を助けるには人の脚力では不可能な距離な為、普通の人間なら諦める所だろう。
しかし、大悟は違った。大悟は手にしている所々に時計が埋め込まれた鎌を振るい周囲の時間を数秒止める。




