第47話死神の鎌(デスサイズ)
「……落ち着いて、聞いてね」
「分かってます。言わなくて大丈夫です」
小春のその様子とその口調から大悟は今死んだ人間が誰なのか察した。
大悟は無言で手を合わせ、黙祷を捧げる。
その間、小春はスマホで連絡し、遺体の回収を依頼した。
「……貴方と変わらない十代のこの男性が老人となり、干からび、死亡した。これをどう見る?」
「魔法による場合なら、黒呪術によるものでしょう。それ以外にも能力や異能の可能性も十分にあります。一つ言えるのは現在の情報だけでは不十分と言えます」
「そうかしら、私は勝たなければ貴方と組まされると聞いてから貴方の事を調べたわ」
「……」
「貴方の父親の大和大助の能力は死神の鎌。体内に宿る神器である死神の鎌を体内から取り出し扱う事の出来る能力。死神の鎌を手にしている間は透過能力を得て、その鎌で切りつけた者の魂と寿命を奪う……違うかしら?」
「その通りです。しかし、無理です。何故なら、神奈川支部の代表として、参加してますから」
「……知っているわ。でも、類似していて思わず口にしていたわ」
「確かに、そうですが……」
「良いわ。止めましょうこの話……問題は被害者が一人なのか、それとも複数人出ているのか。そして、犯人はどこに居るのか。ここに居ても情報は手に入らないわ。敵の目的が分からない以上、慎重に行動しましょう」
「はい」
二人はゆっくりではあるが、素早く無駄の無い動きで、移動を開始した。
「待って」
先頭を走っていた小春のその言葉により、大悟も立ち止まる。
「透明なあの人形の存在は無視出来ないわね」
「……あれは」
大悟は透明な姿をした男を目にして、それが誰なのか理解した。
「あれは、僕の父親、大和大助です」
「……そんな気がしたわ。死神の鎌を手にしてるし」
「しかし、僕は何故透明になっているのか分かりません」
「私にも分からないわ。これ以上の被害が出る前に私達で取り押さえるわ」
「簡単に言いますね。死神の鎌を手にしている間は透過しており、触れられません」
「でも、そんな男も神奈川支部に囚われていた。でしょ?」
「はい。神奈川支部の防衛局局長安藤和真によって、捕らえられました。当時は副局長だったと思いますが」
「そこは問題では無いわ。透過することが出来ても一人の男に捕まっているなら、方法がある筈よ」
「何か策があるのですか?」
「今の私に考えつくのは、これ位ね」
小春は懐から魔法の鎖を取り出す。
「魔法の鎖ですか?」
「透過する相手にどう縛り付けるか……そこが問題だけどね」




