第44話見透かす女
小百合は周囲に大量の魔法陣を配置させる。
「運命を見通す私にならともかく、貴女には私がどの魔法陣から出てくるのか、分からないでしょう」
小百合は近くの魔法陣の内部に入り込むと、姿を消した小百合は周囲の魔法陣から姿を現す事は理解していた五月だったが、どの魔法陣から出てくるのかは見当もついていなかった。
姿を消した小百合は姿を隠したまま、魔法陣を増やし続け、五月の体の自由を奪った。
「……」
小百合は五月の近くの魔法陣から顔を覗かせる。
「能力向上も覚醒もまだみたいだけど、いつ頃出来そうかしら?」
「……」
「無理よ。もう決定した未来は揺るがない」
小百合は魔法陣の中へと入ると、五月の周囲にある魔法陣から魔力で造られた光輝く槍を出現させると、五月の体に接触しない様に配置させ、五月が動けない様にしていた。
五月の動きを止める事に成功したその瞬間、魔法陣から小百合は現れると、五月の元まで移動する。その際、移動に邪魔な魔法陣、光輝く槍は消していった。
「終わりよ。これが決定された未来!」
小百合は右こぶしを握り、それを五月の右頬へと殴り付けた。聖神化となっている小百合のその一撃は一瞬で周囲のものを消し去り、五月を一撃で沈めた。
「見る価値も無かったな」
黒白院家のみが見れるその部屋のモニターで五月と小百合の戦闘を見ていた善一郎は不機嫌そうに立ち上がる。
「確かに勝負は見る価値も無かったですが、気絶した事によって、琰摩羅闍の精神支配が解かれたと勘違いするものが出てくるでしょう」
「つまり、保護されたその先に何かを見据えているな?」
「上手く行くとは思いませんが、保護先で何かの情報を得られればと思いまして」
「……好きにしろ」
善一郎は呆れた様に部屋を後にする。




